Aix

ボバ・フェット/The Book of Boba FettのAixのレビュー・感想・評価

3.8
ディズニープラス配信、スターウォーズの人気キャラクターボバフェットに焦点を当てたドラマシリーズ。

クソを覚悟をして見た割には意外とまあまあな作品でした。アナキンの母親を殺した忌むべき存在のタスケンレイダーが意外とチャーミングだったし、ギャング映画を彷彿とさせるようなボバの成り上がり方もそこまで嫌いじゃなかったです。終盤に出て来た悪役のあいつも魅力的でした、保安官との撃ち合いはさながら西部劇で、良い緊張感を出せていたと思います。

ただこのドラマは悪いところもかなりありました。まず脚本と編集が良くないせいで、回想がうざかったです。ルーカスはスターウォーズに回想を入れずに脚本を書いていたけど、ディズニー買収後以降はその辺りのシナリオのお約束が破られていて、ストーリーのクオリティーも下がった気がします。ボバがアンチヒーローどころかただの良い奴になっていましたが、もうちょっとタスケンとの下りをしっかり描くべきだったし、全体的にアクションの撮り方も微妙でした。ロバートロドリゲス感満載の機械パンク野郎たちは世界観と合っておらず、ノイズだったのが否めません。そしてこのドラマの見所のほとんどがマンドーとグローグーが持っていてしまいました。ボバフェットのドラマのくせに、マンドーとグローグーがメインになっているのは物語としての重大な欠陥だし、MCUやディズニーにありがちな人気キャラを登場させて場を盛り上げる姑息な戦法にも近いものがありました。まあ結局そのマンドーとグローグーのシーンがそれなりに面白かったわけですが。

余談だけど、キングコングとかレイハリーハウゼンのシンドバッドにオマージュを捧げているのがロバートロドリゲス的で笑えました。そういえばマチェーテことダニートレホがいたのも地味に嬉しかったです。
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