HicK

ボバ・フェット/The Book of Boba FettのHicKのレビュー・感想・評価

3.8
《ファンサの嵐に飲み込まれるボバ》

【ファンサービスが熱い】
*出演キャラネタバレ
(と思ったらポスターに全員でてた 笑)

・5、6話はマンダロリアンのショー。サポートキャラたちの再登場もあり、マンダロリアン次作に期待が膨らむ。
・6話は前作以上のスクリーンタイムでルークが登場。制作技術の進歩には本当に驚かされた。ビジュアルが完璧。それ以上に声に驚く。もはや、なんか怖い。
・久々に聞けたナブースターファイターのエンジン音が嬉しい。ポッドレースのオマージュやデストロイヤードロイドを彷彿とさせる敵など、エピソード1との繋がりが強かった印象。
・最終話でのハルクのようなランコア。マンドーの活躍もグローグーともに輝いていた。

【ボバの物語】
信念を貫くカッコ良さ。許しを繰り返す事で増えていく仲間。これも一種の「This is the Way」。そんな新たなボバの設定やファンサービスで楽しませてもらった反面、物語としては少し残念な部分も。「フォースの覚醒」の時の感覚と近い。ファンサービスを差し引くと彼の進展は少なく、ストーリー運びも話の進展を妨げるような作り。

現在と過去が入り混じり、その中でタスケン、パイク、ニクト、ジャバのいとこの双子、市長が絡み合い、細かな関係性やミスリードで少しこんがらがる。特に3話は2話で見せた物語を否定するような作りなので、そもそも2話のシーンは必要だったのかという気にもなる。どうしてもジャバ双子を見せたかったのだろうが…。

【無駄なのか、連続ドラマの余裕か】
そのように少し無駄に思ってしまう場面も多く、4話でボバがモンスター内のアーマーを探そうとするシーンは、観客にとっては真実が分かっているうえ、特に話の広がりも無い。5話ではスターファイターの組み立てシーンが長く話が進まず。ドラマシリーズならではの余裕ともとれるが、ただでさえボバ自身のストーリーが薄いので、そんな演出が気になってしまう。

【仲間】
仲間が増えていく過程にもワクワクしたが、最終話を見終わってみると、仲間集めもマンドーを絡ませるための口実としか思えなかった。ウーキーくんとかもっと活躍してくれると思ったんだけどな…。ただ、ミンナ・ウェン演じるフェネックはカッコ良かった。アンチヒーローとしてのボバ本来の姿が彼女にはあった。で、もちろんボバもカッコいい。だからこそ、もっと見たい。

【総括】
ボバフェットの物語としては残念。実質、内容の半分がマンダロリアン次作への「中継ぎ」という印象が大きかった。ただ、色々言ってしまったが、それでもファンサの嵐は楽しかった。んー、だからこそ複雑な作品。めちゃくちゃ矛盾してる感想。結局、スターウォーズ3部作も今作も、ちょっとかわいそうなボバフェット。
HicK

HicK