七沖

ボバ・フェット/The Book of Boba Fettの七沖のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ボバ・フェットは帝国の逆襲の頃から好きだし、その好きなキャラを深掘りするドラマが楽しくないはずがない!

結論から言うと、結構好き。
でもマンダロリアンの方がもっと好き。
という感じだ。

今までボバ・フェットは素顔すら分からない謎めいたキャラとして描かれていて、そこがミステリアスで魅力的だったのだが、本作ではかなり素顔でいる時間が長かったり、意外と戦闘で弱かったりする一面が描かれる。ボバの秘密のベールは完全に無くなってしまった…。
その代わり、新たな魅力として浮き上がってきたのが、ボバファミリーとでも言うべき仲間との結束だ。
一匹狼だったボバが家族を持つ物語というのは、彼の出自を思うと感慨深い。

最終回のファミリー総出の抗争は観ていて純粋に楽しい。
このボバファミリーがなかなか良く、実はボバより有能なんじゃないかと思えてくるフェネック姐さん、意外とかわいいガモーリアンズ、砂漠でめっちゃ浮く原色のミニスピーダーを駆る若者たち、人相が悪いウーキー族クルルサンタン、ベビーランコア、そして臨時助っ人のマンドーという濃すぎる面子。憎めない交渉人のトワイレックも忘れられない。
個人的には図らずも抗争の激戦区に飛び込んでしまい、ギャーギャー言いながら逃げまくるペリ・モットーが超好き。

誰もが知りたかったサルラックからの脱出法や、マンドーやグローグーのその後など、観たかったものをちゃんと観せてくれる作品だ。
途中で完全にマンダロリアンの新作エピソードに振り切ったのには面食らったが、悔しくなるくらい楽しめた。
ナブースターファイターでポッドレースするのはズルい。これからマンドーたちがスターファイターに乗って旅するのかと思うと、マンダロリアンシーズン3が今から楽しみだ。

一本のドラマとして見るとストーリーは普通で、盛り上がりどころはマンダロリアンの魅力に頼った部分も多かったが、間違いなくスターウォーズの世界観を良い方向に広げてくれた作品だった。
映画よりドラマの方が面白いなんて、時代は変わったな…。
七沖

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