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地獄が呼んでいるのkuuのレビュー・感想・評価

地獄が呼んでいる(2021年製作のドラマ)
3.9
『地獄が呼んでいる』
原題:지옥 Jiok.
英題:Hellbound.(地獄行き)
公開:2021年11月19日。
話数:6話。
一話各話:上映時間48分~1時間。

11月19日にNetflixで独占配信が始まった韓国ドラマ『地獄が呼んでいる』日本でも『イカゲーム』に続き大反響を巻き起こしてるってネット情報で見聞きしただけやけど、面白い内容でした。
ハリウッド版リメイクも決定した『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)のヨン・サンホ監督の最新作だそうです。
道理で、ハラハラさせてくれた。

ヨン・サンホとチェ・ギュソクによる韓国のウェブトゥーン(WEB漫画)が原作で、単行本も2巻発売されています。

今作品じゃ、二つの種類の暴力が描かれてました。
ひとつは“地獄の使者”たちによる暴力。
もうひとつは“矢じり”と呼ばれる新興宗教の信徒たちの暴力。
衝撃的なのは、突如現れる前者で、後者は非常に現実的で観る者の背筋を凍らせる韓国ドラマ。


ある日突然、ソウルに3人の地獄からの使者が現れて人々をパニックに陥れる。
“地獄の使者”に狙われた男は、凄絶なリンチに遭い、最後は焼き殺されてしまった。
人々の混乱につけいるように『新真理会』を名乗る新興宗教が台頭。
議長のチョン・ジンス(ユ・アイン)は、この現象が罪を犯した人に与えられる“神の裁き”だと主張する。
チョン議長が人々の大きな支持を得ていく中、ひとりの平凡な女性が死亡宣告を受けてしまうーー。

1エピソード(48分)
人通りの多い白昼の街で、正体不明の怪物三体が1人の男を追い回し殺害するっちゅう事件が発生。
死体は黒焦げ炭化。
怪物はゴーレムモドキの三体。
犯罪を犯した者が地獄に行くと主張するチョン・ジンス。
ゴーレムモドキや、白い怪物(天使)てのが現れたりと(死の告知をする)、小生が無知なのか、あまり観たことのない展開。
一話目では何が何だか良くわからなかった。

2エピソード(53分)
地獄行きの告知を受けたパク・ジョンジャ。
その話を聞いた新真理会(新興宗教がなんか絡み始めていく)は、大金と引き換えに、 預言が実行される瞬間を生放送で中継したいと申し出る。
化け物に焼かれ、炭化した遺体が、有機物ではない未知の物質に変化していると判明。(この辺りはお話の布石かな【続編へかも】)

3エピソード(53分)
全世界が衝撃に包まれるなか、善行を行うよう人々に告げるジンス。
行方不明になった娘を捜すチンギョンフン。  
矢じりの標的と なるミン・ヘジン。
大衆の眼前でパク・ジョンジャの腕を突き刺し、殴り、血みどろにするシーンは結構エグい。
新真理会のジンスの過去が明らかに。

4エピソード(42分)
4年後の2027年。
新真理会は国家権力や警察を動かすほどの巨大組織に発展。
連絡がとれなくなった同僚を捜して釣り場にやってきたペ・ヨンジフェは、恐ろしい光景を目撃する。
預言をする天使の姿が思わぬ場所で目撃される。

5エピソード(55分)
追い詰められたヨンジェは、何かを知っていると思われる人物のもとへ向かう。
謎の組織について情報をつかんだ新真理会は、すぐさま行動を起こす。

6エピソード6(1時間)
自分たちにとって都合の悪い状況が起こっていることを知った新真 理会の理事らは、 新真理会の権力が脅かされないよう、必死で真実 を隠蔽しようとする。 

今作品は、天罰を恐れて正義を貫くのか?
それは本当に正義と正義なんか?
なんて難しい投げ掛けが多々ありました。
今作品は、Netflixがソーシャルプロモーション的に扱う、ただ単なる怪物モノや異世界の生物を扱った典型的なファンタジーや、SF、そして超常現象のたぐいじゃないかな。
社会的な態度をより深く追求してるし、想像しているよりもずっと哲学的な内容になってました。
宗教的信念、
信仰、
カルトなどに敬意を表した力強い声明に加えて、
過激主義や過激思想の中核となる考え方にも言及してた。
社会に混沌と社会不安をもたらすだけの、この危険で自己破壊的なものの根幹を、深く考え、論じてる。
故に難しいし、モンスターモノとしてはチョイ興味を失くす。
しかし、ここでの正確な表現は、聞こえてくるほど単純じゃなく、挙げれば枚挙に暇がない。
今作品は、複雑な事柄や無数のサブテキストが多面的に重ねられてるし、表面だけの見方もアリやとは思うが、十分な注意を払わなければ見つけることが出来ひんメタファーが潜んでる。
巧みな演出が進んでその役割を担い、重要な勢いを抑えることに成功してたし、かなり洗練された方法で行われてたかな。
その一方で、多彩なキャラと、それぞれの個性的な物語を知ることができ、多くのレベルで親近感を持つことができたり憎めたりと。
各々の役に、多大な貢献と誠意を見せてくれたアンサンブル、
キャスト全員巧いかな。
技術的な面でも、巧妙でした。
ただ、難点は、ストーリーの核心部分かな。
時折、明らかな抜け道にいって、心に浮かんだいくつかの疑問については、まだ透明性が示されてへん。
まぁ、『続編ありき』(最後のシーンでわかる)やし仕方ないかな。
実現可能な結末を迎えるには1シーズン以上かかると予想はしてたけど、正直なところ、少なくとも何らかの終結を期待してたのは正直な感想かな。
でも、ほんとはもっと書き連ねたいくらい想いを持てた面白い作品でした。
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