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地獄が呼んでいるのmaroooのレビュー・感想・評価

地獄が呼んでいる(2021年製作のドラマ)
4.0
ここ最近見た映画で、一番恐かった。
もちろんホラー映画ではない。
だけど、ちょっとトラウマになるくらい恐いと思った。
それは、この映画で起きたことが現実にも起こりえて、実際に起きているからだと思う。
矢じりは、日本のなかにもいる。程度の違いはあっても。何か犯罪が起きると、ネットに個人情報が晒され、それを拡散する。
それが正しい情報かどうかもわからずに。
そして、何よりこわいのは、矢じりの気持ちが自分も少しわかることだ。
なにか凶悪な事件が起きると、この犯人はどんなひどい人なんだろう、どんな悪い奴なんだろうと想像してしまう。
そして、その犯人の個人情報が晒されているのを見てもなんとも思わない自分も、きっと薄めた矢じりなんだろう。
それも、すべて正義のもとに行われる。
でも、正義とは誰にとっての正義なのか?
それを突きつけられているような気がした。
新真理会の真理こそ、正義。
それを当たり前に信じ、突き進む大衆。
全体主義の恐ろしさを、改めて感じた作品。
そして、その大衆に自分はいつだってなり得るのだと、気づいてしまった恐ろしい作品。
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