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ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○のmaroのレビュー・感想・評価

3.5
2022年冬ドラマで面白かった順位:2/4
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

現代っぽく、ニュースサイトの編集部が舞台となったドラマ。
『知らなくてイイコト』(2020)と同じような流れなので、正直目新しさがあったわけではないんだけど、回を追うごとに面白くなっていったと思う。

◆徹底した取材力と事件の裏に隠された真実の意外性がよかった

「所詮は三流ニュースサイト」ということで、社内はおろか社外からもバカにされるようなポジション。
でも、凛々子(黒木華)が編集長になってからが大きな転換期を迎える。
月間5000万PVを叩き出すために、注目されやすいゴシップネタで攻めることを決定。
ただ、たかがゴシップとはいえ、取材は徹底的に行う。
裏が取れていないものは記事にせず、きちんとした聞き込みや証拠集めなど、客観的事実を明確にしてからの記事配信。
これは、凛々子の「ちょっとした矛盾や誤りを見抜く能力に長けている」という性格だからこそ徹底できるんだろうなと。

事件の真相を追っている最中は軽いサスペンス感も味わえるのだけど、このドラマでよかったのは、真実がわかった後。
ネタをつかんだ当初には想像もしなかった事実が隠されていることが多い。
心温まるときもあれば、取材対象者にとって悲しい結末になることもあったけど、世間で騒がれていることの裏側が知れるオチは面白かった。

◆凛々子の意外と泣けるエピソードと心に残るセリフ

主人公の凛々子って、メチャクチャ『エヴァ』の綾波レイっぽかったんだよね。
いつも無表情で、人の気持ちを理解することが苦手で、口癖が「ザワザワする」って。
それ「ポカポカする」へのオマージュだろって思うんだけど。

ただ、彼女の過去が明らかになる第6話。
高校時代、唯一の友達だった人とのエピソードは不覚にも泣いてしまって。
あんな無表情な彼女だからこそ、こういう友情エピソードはギャップになるんだよね。

ギャップで言うと、第4話で彼女が根津(溝端淳平)に語ったセリフも心に残る。
「あなたにできる仕事は他の人にもできる。そうでないと会社は成り立たない。でも、"あなたでよかった"、そう言われる仕事はきっとある」って。
人の気持ちに無頓着そうな彼女が、そんなこと言うんだって驚いた。

◆仁和の立ち位置が微妙

凛々子を『カンフルNEWS』の編集長に推した執行役員の仁和。
演じた安藤政信の演技はとてもよかったんだけど、キャラクターとしてわかりづらくて。。。
彼は彼で、クスノキ出版を大手IT会社に吸収合併させるために、会社の価値を高める目的があった。
そのために、凛々子を利用したんだけど、、、もともと2人は知り合いで。
彼女の母親が仁和の恩師。
凛々子が若い頃にその母親が亡くなったことで、何かと凛々子に目をかけてきたのだけど。。。
なんで最後ああいう形になるかなーって。
そもそも、そんなにドラマ本編に深入りしてこなかったんだよね、仁和って。
もっと凛々子との絡みが多かったら、いろいろ納得がいったのかもしれないけど。

◆そんなわけで

多少気になるところはあるものの、個人的には総じて楽しめたかなあ。
『知らなくてイイコト』とかぶるっちゃかぶるけど(笑)
こっちの方がもっとライトな感じでした。
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