久々に文脈がクオリティのせいで消し炭になる作品の好例を観た。
最近CGクリエイターの告発が明るみになったのもあって、映像面の酷さを指摘しようにもできない。
どうやらMCU初期の頃からの話ではあったようだが、フェーズ4になって作品数が増えすぎたのもあり、本格的に質にも影響が出たようで、作り過ぎは消費者にも生産者にも良くないなと今一度。
「ブラックパンサー」当時の「大作の前は良いスタッフ取られちゃうもんね」なんて邪推をしていた時期が懐かしい。
トマトの批評家観客間での賛否の割れ方からして完全にフェーズ4の「ブラックパンサー」枠だと分かる。
社会的な価値は高いがエンタメとしての価値が低すぎる。
何から何まで機能しそうでしない要素ばかり。漂白された撮影とリズム感のない会話劇。
取り分けひどいのは「ヒーローオタク」として描かれたカマラの設定が先祖の話にばかり入れ込んだ結果押しつぶされたこと。
全体通して言えるがどの要素も起承転結のどこかしらが弱い。やたらと冗長な癖に間が抜けている。
ポップソングの起用一つ取ってもどこにも寄与していない。
視聴率も合わせて本格的にMCUの崩落が始まった一作だろう。