Kakutani角谷

ミズ・マーベルのKakutani角谷のレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
2.0
マーベルがどうイスラーム系の人を描いてくるか興味があったけど、無邪気にアベンジャーズを崇拝するなど、アメリカ文化に染まりきった平凡な主人公に魅力を感じなかった。
発揮される特殊能力もアクションも中途半端でつまらないし。

「古代ローマの授業時間は6週間、古代ペルシャは6分間」などと鋭いことを言い、モスクの理事になろうとする友人ナキアの方が尖っていて魅力的に見える。

むしろ、現代社会でムスリマであることの立ち位置、に対していろいろ葛藤を抱えているナキアのような女性の物語が観たかった。

作中で描かれるアベンジャー・コンというイベントがアメリカ軍国威発揚イベントみたいに見えて薄気味悪い。

全体的にジュヴナイル的な雰囲気が漂っているので、印パ分離の悲劇やイギリス植民地主義の弊害も描ききれなかった感じがある。
パキスタンでのエピソードだけが浮いている。

最初保守的にみえた家族が、最後は理解あるキャラに変化していったところだけは良かった。