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ミズ・マーベルのKINのレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
4.0
ニュージャージーに暮らすムスリムの少女。MCU世界でヒーローが飽和化してきた今のタイミングだからこそできる"ヒーローに憧れる女の子"という設定。そこに呼応するティーンものとしてのジャンル。
また、インド独立運動にまで話が及ぶ4世代にわたる移民のストーリー。
ポップさと社会性のバランスが絶妙で、企画がまず素晴らしい。
そしてタイトルロールを見事に、かつ超キュートに演じ切ったイマン・ヴェラニちゃん、ティーンたち面々のキャラクター。(ブルーノもナキアもゾーイもラヒームも、みんな可愛かった…)

三方よし!なはずなのに、絶妙に乗り切れないこの感じは、やはり「ドラマシリーズ」としての面白さが発揮できていないからだと思う。
常々思うがこの"6話"というフォーマットの扱い方がまだ見つけられてない。映画にまとめた方が面白く感じてしまう。
お話として面白いか、とそれが媒体として相応しいか、というのは常にリンクしてるんだなと最近特に思います。

ゴムゴム能力を改変したのは結果的には良かったんじゃないかな?絵的にも楽しいし、アクションの幅も増えるし。
(CGのクオリティに関しては『ラブアンドサンダー』でも思ったけど、ことドラマシリーズにおいては、かつての『エージェント・オブ・シールド』や『ランナウェイズ』等に比べたら段違いで凄いので、そっちの目線で見ることにした)

今作本編のラスト、カマラが『シャワルマ大好き!』と嬉しそうに去っていくシーン。
『アベンジャーズ』のエンドクレジットシーンで気だるそうに(そして大半が白人男性)シャワルマを食べているシーンに対しての、強烈なカウンターであり、明確なヒーロー像の塗り替えでもあるんだろう!
あそこは妙に感慨深く、しんみり感動してしまった。終わりよければ全てよし!
『The Marvels』でのスクリーンデビュー、そしてキャプマとの共演が楽しみ!!
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