おくむらひ

ミズ・マーベルのおくむらひのレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
4.3
グッダグダのPhase4 、もう追いかけるのやめようかと思っていたけど、久しぶりに大興奮。

メモ↓
パキスタン系アメリカ人の移民2世、ムスリメという複雑なアイデンティティ。
アベンジャーズコンに行こうとすればボディラインの出ない服にしろ、家族と一緒でないと行くのを認めないなど、アメリカに生まれ育ったカマラにしてみれば大したことないものまでコントロールしようとする保守的な母親ムニーバとの軋み。
ムニーバの母親でありカマラの祖母サナは、バングルの幻想に取り憑かれて、娘ムニーバに向き合わなかった。
そのバングルはサナにしてみれば、母アイシャの形見であり父と再会できた、本物の魔法。
四世代の女性のすれ違いはインドとパキスタンの分離独立が引き起こしたもの。そのすれ違いをカマラが解決する感動。
ムニーバにもボン・ジョビを聴いてチャラついてた時代があったが、アメリカで生きていくには家族第一になり、保守的になってしまう。子離れできないというセリフ。
薔薇農家という土地に根ざした生活をしているのだから列車に乗ってどこかに行けばスッキリ解決するわけではない複雑さが含まれること。

対し、カムランはトキシックな母親との関係を清算できずに力のみを受け継ぐ。
家族の和解ができたカマラと、それができなかったカムラン。

グリッターでテンポの早い映像、カマラのキュートさ、フォントのアニメーション。三角関係のラブコメが、アイデンティティの問題を繊細に紐解く一方でシリアスになりすぎないこの塩梅。
スーパーパワーを手にして変わってしまった日常、スーパーパワーと自身のルーツを探るパキスタンでの一幕、最後はジャージシティに戻り、大団円。
深い主題を6話で巧みにハンドリングしている。
ファルコン&ウィンターソルジャーは構成は良くできているが、主題の踏み込みが甘く風呂敷も広げ過ぎてしまった感。
ワンダヴィジョンはTVシリーズそのものをモチーフにした秀逸すぎるアイデアだが、ラスト2話が史上最悪の演出。
ロキは毎度安っぽくて必要ないスペクタクルシーンが中途半端に挟まり、中身のない家族愛、マルチバースの説明がもうハイハイどうでもいいし、ロキのヒーローウォッシュがキャラの無駄遣い。褒めるところが全くない作品。
ムーンナイトは2話目までは最高だったが…
MCUドラマで見るべきは、ホークアイとミズマーベルしかないでしょ。



ダメージコントロール局のレイシスト度合いにムカついた
やはりムスリム、ムスリメはアメリカ社会ではかなり生きにくそう。
おくむらひ

おくむらひ