竜平

ミズ・マーベルの竜平のレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
4.0
「マーベル・シネマティック・ユニバース」配信ドラマシリーズ第6弾。高校に通うパキスタン系の女の子「カマラ・カーン」の日常がある日一変、やがて巻き起こる騒動や不思議な世界との出会いを描いていく。全6話。

アベンジャーズオタクで、とくに「キャロル・ダンヴァース」a.k.a.「キャプテン・マーベル」に憧れる、ちょい地味め、いや至って普通の女の子が今回の主人公。全体としてはアクションなどよりも学園青春モノの様相で、ここらへん登場人物たちの年代的にも『スパイダーマン』シリーズのような爽やかさに満ちてたり、また流れる楽曲やストーリーのテンポ感なども相まって、これまでのドラマシリーズの中でも一番と言えるほどポップで可愛らしい作風になってたりする。主人公はアメリカに住んではいるけども外国人ということで、その異なる文化を表すようなシーンやアイテムや単語が全編盛り沢山。これは見終えた後で考察などを読むとより一層楽しめるところ。俺も後でいろいろ調べて知って、その織り混ぜ方、小ネタの数、芸の細かさに脱帽という感じ。まぁ前回のドラマ『ムーンナイト』のように専門的な用語や固有名詞がかなりたくさん出てくるのも事実で、少しこんがらがるとこも少々。新キャラによる新設定を描くパターンではまぁそうなりがち、か。ただとにかく流れがわかりやすく、更に話も今回で一応は完結してくれてる印象なもんで『ムーンナイト』よりは見やすかったかなと、これは好みの問題だろうねー。

にしてもこのカマラ・カーン、話数を増す毎に魅力が出てくるというか、なんか応援したくなってくるのって俺だけじゃないよね。じつはイタズラ好きでユーモアも持ち合わせてるんだけど、イスラム教のしきたりやら家族との間にあるちょっとした苦悩やら、あと同級生たち、とくに相棒のような恋の相手のようなブルーノとの関係性だったり、パワーをなかなか使いこなせない感じとかも、とにかく演じるイマン・ヴェラーニのフレッシュさが非常に良きなんだよなーと。てか今回もまた出てくる人物が完全新キャラばかりなんだけど、初登場にも関わらずそれぞれキャラは立ってるし見ていくうちにどんどん愛着が湧いてくるという不思議。MCUは人物の描き方が本当に上手いよねーなんて。更にこれまで登場したヒーローの名前がふと出てきたり、思わずニヤリとしてしまうような過去作との繋がり、そして意味深な伏線(のようなもの)にもやっぱりワクワクしてしまうんだよなと。

まぁそんなこんなでMCUとしてのちょっとしたサプライズもありつつ、それよりも何よりも新世代の新ヒーローの誕生を描くオリジンに徹してる印象。他の作品を見ていなくてもひとまずはこれ単体で楽しめちゃうはず。今作は映画『ザ・マーベルズ(原題)』に繋がっていくことが確定してるということで、そっちでのミズ・マーベルことカマラの活躍も今から非常に楽しみ。ドラマの次回作はまたしてもニューカマー、『シー・ハルク:ザ・アトーニー』。どんどん新キャラ登場してくるな、これ本当に全部まとめられんのかな。おしまい。
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