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エコーのsfkpicturesboxのレビュー・感想・評価

エコー(2024年製作のドラマ)
3.5
過去が美化されがちな人は観ない方が良い作品(笑)。
持ち込む期待が高すぎて提供するものと望むものが乖離しがち。

今作はNetflix時代の作品と印象を並べることが基準になりやすいが、イメージ的には「平均値で言えばほぼ同じ」テイストの作品です。
デアデビルの3シーズンで例えるとヤミノテ編あたりの感じです。
現実軸と空想軸の二つの軸があるため、どちらにもはまり切らない「あの雰囲気」です(笑)。

ただ、オリジンとしては丁寧なので、前作「ホークアイ」で微妙な印象だった部分はかなり解消されて気に入る方もいると思います。

キングピンの扱いがどうのこうのに関しては、MCUにおいてもっとも最長で存在しているヴィランであるため、古参向けに「いつまでも擦る」ことは無理で、「エコー」という中でラッピングされた中で最低限の引用で進める以上、作家性に左右されるのは致し方なく感じます。
過去作を見てる方々にも直接的な暴力表現ではない「絶妙な狂気」を感じる演出はあったかと思うので、そこは過去を美化した人ほど恐怖する物だったと思います。愛を試される部分です(笑)。

ただ、次作のボーンアゲインへの伏線としての役割は十分。
他作品と違って圧倒的に難しいのは永続的に存在させないといけない言うこと。大体は悪役は華々しく退場する物なのでピークが必ずある。
キングピンはそれを作りつつ、生き延びなきゃいけないので(笑)。
いろんな媒体や年数を跨いで監督・作家へ延々とバトンタッチで続くヴィランを同じ役者が演じてくれるだけでも、感謝することを忘れがち。

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映画ではなくドラマなのでシチュエーションを狭くするのは致し方なし。

あとはMCUなのかディズニーなのか、昨今、宗教や民族をフォーカスする作品が多いのでアイコニックを意識した展開がマンネリになっている部分はあります。作家や監督もそういった出自の方が多いようなので、才能や相性が純粋に乖離している部分が作品自体の出来栄えに影響しているのかもしれません。

ただ、そういったカテゴライズの中でそれぞれを大切に継承している方々にとって言えば、アイコニックのヒーローというのはとても歓迎されるものであり、「星条旗ありき」な作品群にしない、マーベルの戦略は長期的には◎だと思います。

少数派に向けた作品を作っている以上、評価が小さめにあるのは当たり前と言えば当たり前。浅はかな表現で少数派自体に歓迎されない作品にしていないのも◎。

そういった意味でも「シーハルク」は「何がやりたかったんだ?」となるわけです(笑)。
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