ヒムロ

エコーのヒムロのレビュー・感想・評価

エコー(2024年製作のドラマ)
3.8
自らの父を殺した男であり、育ての親であるキングピンを撃ち、自由になったエコーことマヤ・ロペス。
マヤは父と自分を勘当した祖母のいるオクラホマ州のタマヤへ戻ってくる。
するとその日から不思議な光景が脳内に浮かぶようになる。
これはマヤが自分のルーツとこれからの道を探す物語。


マーベルスポットライトシリーズ記念すべき1作目。
他の作品を見てなくても見れるみたいな触れ込みだったが、普通に話も地続きだし説明もオシャレにし過ぎて薄めでホークアイを見てなきゃついていけない感じはある。
バトルシーンも少なめで全5話ということでなんだか低予算でドラマシリーズを作るための新しい枠なのかなと感じてしまった。

ストーリー自体は初登場のキャラばかりだが絡みが薄くそこまで。
しかしメインヴィランのキングピンが今までのヴィランとはまた違った魅力があって最高。
ボスとして裏切り者を始末しなければいけない自分とマヤを娘のように可愛がってきた父性に揺れる実に人間味溢れるキャラクター像は衝撃的だった。
勧善懲悪が基本のMCUでこういう深みのある敵は数少ない。
最終的な落とし所も見事で納得の一言。

バトルシーンではマヤの聴覚障害の設定に合わせた無音の演出がセクシー。
そして対照的な爆音でのバトルもこれまた映える。
無声映画のような先祖の映像に重ねる演出は無音だからこそ出来るシーン。
演出が良かっただけに前述した通り派手な戦闘シーンが少なめなのはちょっと残念。

マヤを演じるアラクア・コックスは実際に聴覚障害者で義足で先祖はインディアン系なのだが、元々女優志望でもなんでもない人で今の所この役しかやったことがない。
故にかは分からないがホークアイの直後の話なのに少しふくよかに見えるのが細かいが気になった。
義足は原作のマヤには無い要素だが、ストーリー的には上手く絡めていた印象。
欲を言えばもう少し戦闘で使ってるところが見たかったが、そもそも戦闘シーンが少ないのとラストにはまた別の展開があったので仕方ないか。

ところでスポットライトといいつつやっぱりデアデビルに繋がる感じで終わったが、マヤはこれから出てくることはないのだろうか。
出てきて欲しい気持ちは全然あるのだが、出てこられたらスポットライトも視聴必須のコンテンツということになるので複雑な心境だ。
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