アップルTVオリジナル作品っていうのは一部を除いてフィルマではだいたい放ったらかしにされてるような気がするんですけど……このドラマもジャケ画像はないし、ちゃんと「DR.ブレイン」で検索しても「DR.JIN」がトップに表示されるありさま……
でもこのドラマはアップルTVプラスでは初の韓国作品。たぶんアジア初なのかな。力の入れようが伝わってきます。
あとアメリカドラマだけど、日本統治下の韓国で韓国人が主役の「パチンコ」では日本人の横柄な振る舞いなんかが描かれたりしていて、アップルは日本市場を捨てて韓国を選んだ、なんていうネットニュースの記事もありましたけど、アメリカ以外の外国語作品がまだ少ないからその辺はなんとも言えない……連ドラを2本観た時点ではアップルは地道に良作をコツコツやっていくスタンスなのかな。ネトフリやアマプラとは距離を置いて追随する気はまったくないような感じがしますね。
韓国ドラマがこれ1作しかないんですけどベテラン映画監督が演出していることからも力の入りようがうかがえます。けっこう最近「箪笥」っていう韓国映画のレビュー書きましたけどそのキム・ジウン監督です。ハリウッドデビューもしてるこの監督の初連ドラだそうです。出演者たちのインタビュー映像があるんですけど俳優たちみんなこのこの監督を尊敬してるんですよね。そのためか必然的に俳優たちも力が入っていたと思います。
例によってウェブトゥーン原作らしいです。はっきり言って第1話がつまらなかったんですよ😅 これが16話とかだったら普通に脱落してたとこだけど、スッキリ全6話だからガマンして観てたら第2話から徐々におもしろくなってきました。SFミステリー、サスペンス的な、もう韓国では珍しくないジャンルですけど、これをケレン味控えめの演出でじっくり見せてくれました。主演のイ・ソンギュンもあのいい声を落とし気味で静かなタッチで主人公を演じています。感情表現が乏しい役ということもあるけど、とにかく控えめで静かなアプローチです。
何がSFかというと脳の研究をデフォルメしてるんですよね。監督は人の脳で考えていることや記憶の中身が覗けたら、という好奇心を描いてると言ってましたけど、まさにそんなことをやってます。記憶だけでなく人の身体的な習慣や特技まで移植できてしまうなんていう世界です。傑作というほどではないけど毎回映画レベルの映像と演出が楽しめる作品でした。
