6粒の淡水パールをつないだような、やわらかな光を放つ小品。
トラウマ級の衝撃的なオープニング。
強盗がオープンルームに立てこもる。
人質解放時に犯人は消えていた。
「”ニワトリ”と呼ぶべきだ
何も覚えちゃいない」
8人の人質全員が犯人の記憶がない。
8人それぞれの視線で、少しずつ描かれる1つの事件。
8人それぞれの背景。
そして絡まり出す8人。
ラストに向かい、つながってゆく。
親子で共に警察官。
もちろんコメディ。
しかしメインは推理モノ。
声をあげて笑うことはほとんどない。
それでも伏線を回収し、ラストにまとめる手腕は素晴らしい。
柔らかで、優しい気持ちにさせてくれる。
「それが人間ってものよ」