ヒノモト

セヴェランスのヒノモトのレビュー・感想・評価

セヴェランス(2022年製作のドラマ)
4.8
今年に入り、AppleTV4Kを購入して、配信作品を高画質高音質で観られるようになり、AppleTV+のこのドラマを観始めて、昨日シーズン1の最終話が公開されて、ここまでの感想を書いていきます。

物語のベースは、妻を失った主人公のマークは、その悲しみから仕事が手につかなくなり、セヴェランスと呼ばれる脳手術を行い、仕事と私生活の記憶を分離させることで、謎めいた新たな職場で働く姿を通して、会社内での違和感と私生活でのとまどいを交えつつ、真相に迫っていくドラマ作品。

シーズン2の制作は発表されたようですが、現在はシーズン1の9話までが配信済み。

海外ドラマは長い作品が多くて、挫折することが多いのですが、今作は1話からずっと面白さがキープしていて、ドラマならではの謎の先送り感はあるものの、(シーズン1終了時までは)最後まで楽しめました。

マイクロチップを埋め込むなどの脳に何らかの変化を与えて、能力を向上していくような作品は映画などでも近年よくある設定とはいえますが、今作の面白いところは舞台となる会社ルーモンの企業理念に基づく大きなプロジェクトらしいということ。

現時点では、会社の全容は伏せられているのですが、主人公たちは所属するマクロデータ改良部
の仕事が本人ですら、会社組織の中でどのような役割を担っているのか不透明なところが数多くあふれていて、全貌が見えないことの薄気味悪さが常に漂っている感覚がくせになります。

あと、社内の話だけでなく、実社会に人格としての生活しているマークも映し出されるのですが、そこに接触してくる、会社のやり方に不満を持っていたり、辞めさせられたりした人たちとのつながりの中から、この状態を選んだ自分の選択が正しかったのかを揺さぶりをかけていく流れになっていくのは、両面からじわじわと会社組織の違和感に対して、行動が及んでいく課程が加速していく後半は、大変楽しめました。

最終話では、主人公以外の同僚たちの社外での正体が明かされて、これからっていうところで終わってしまい、シーズン2が期待でしかないですが、あまり長期化することなく、完結を迎えてほしいというのが正直なところではあります。

AppleTV+は、あまり加入されている方はまだ少ないと思いますが、無料体験もあるようなので、この作品を観るだけでも価値があると思います。
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