ばん

津田梅子~お札になった留学生~のばんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりにまともに地上波でドラマを見た。
100年以上前だけれど、今にも通じるエピソードがたくさんあり、いろいろなことを感じ、考えるきっかけになった。

梅は厳しい寒さの中で、花を咲かす。
桜ほどの圧倒感はないけれど、遠くからもその香りで存在感を放つ。
花が散ってからは実をつけ、その実は梅干しになり、私たちの食卓を彩る。
梅干しは相当長く保存食として持つ。決して甘くはなく酸っぱいけれど、我々には大切なものがたくさん詰まってる。

「私の人生は嵐でした」「last night storm」と冒頭と最後に梅子が自身の生涯を振り返り、「嵐」としていたが、私はご自身の名前どおりの、梅のように凛とした花を咲かせ、たくさんの実(DeNAの南部さんや、古いところだと、森山真弓さんや赤松良子さん、そして映画好きはたくさんお世話になった戸田奈津子さん!)を残した人生だったと思う。

小平キャンパスは、建学者の名前とは違い、数々の映画の中でも撮影に使われた桜の名所である。若い頃見た『桜の園』(1990 中原俊監督)の中にでてくるのは、ここの桜である。

誰もが、桜や梅のようには咲けない。が、あなたはどんな種を持ち、どこで咲かせればよいか考え、自分らしい「花」を咲かせなさい。自分の頭で考えて。
と、梅子がいっているような気がした。

ドレスが素敵で、広瀬すずとエライザがよかった。ちょっと情けない『総理の夫』だった田中圭の初代総理大臣役とか、変わらず美しいが、内田有紀の母親役とか、キャストがよかった。
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