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舞妓さんちのまかないさんのrのレビュー・感想・評価

舞妓さんちのまかないさん(2022年製作のドラマ)
4.4
是枝監督の作品、だいすきだからハマることを知っているからでも初めての作品としての心持ちで一気に観た。台本を持たせないやり方がどこまでなのか分からないけど、みんながアドリブに見えた。それくらい自然。カメラワークもドキュメンタリーを見ているよう。是枝監督以外の監督さんの作品は初めましてだったけど毎話繋がっていた。何気なく発した言葉、何気なくそこにあるもの。細部にまでこだわりや意味が詰まっていてひとつひとつ答え合わせをしたくなるような、おもしろさ。本人と監督の作り上げるまかないさん、見習いさん、舞妓さん。それを役者本人のやり方で自由に発する、自然と動く。なんだかほのかな一家庭を見届けているよう。小さな幸せ、日常の中にある隠れた幸せをひとつも溢さぬよう、拾いあげている、そしてそれが繋がっていく。料理と同じだ。今は簡単に、はじめから作られているだしが手に入るけど昆布、鰹節、いちからひとつひとつ、作り手のものを繋げていくのに似ていると思った。

ここまで素の表情って私にできるかなぁって考えた時に、自分のひとつひとつのパーツ、どんな感情も愛していないとできないと思った。そしてやっぱり人と人。今の私を作るのは人と関わっている自分なんだと。色んな人と接したく、話したくなった。そしてその時の自分をしっかりと記憶しておくこと。

オープニングのタイトルバックは入り込むくらい、毎話自然と私も口ずさんでいた。
きっと食にも舞妓さんという一人の生き方にも、誰もが興味を持った作品だと思う。おばあちゃんの、作られる側、作る側、どちらが良くて悪いなんてないと言う言葉。正解なんてないと私の心に響いた。笑みも涙も溢しながら、その涙さえ拾いたくなった。
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