出かけよう、愛と海のあるところへ。
BSドラマでありながら、地上波の人気作や話題作を差し置いて、放送文化基金賞やATP賞を受賞した隠れた名作。
間違いなく吉岡里帆さんの代表作。
吉岡さん自身を想起させるキャラクター像で、その葛藤を越えて成長していく姿は、女優としての彼女の成長とも重なる。
一方、パパ役の笑福亭鶴瓶さんが苦手という方も多いだろうけど、普段のクセの強さは身を潜め、役者・駿河学に徹しているのもお見事。
脇を固めるキャストの方も名演で、どのキャラクターも愛らしい。
言ってしまえばベタベタの感動作、やさしすぎる展開なのだけど、それがクドくなりすぎず、後味がすっきりしている。
主人公が吉岡里帆さんじゃなかったら絶対違ってた。
合唱曲・「かいじゅうのバラード」がキーとなっており、その歌詞に出てくる、「愛と海のあるところ」を目指した世界観も素晴らしかった。
多くの方に観てもらいたい一作。