Sunny

刑事マシュー・ヴェン 哀惜のうなりのSunnyのレビュー・感想・評価

5.0
一家で入信していたカルト集団を逃れ、刑事として再び故郷に戻ってきた主人公マシューは、同性の恋人に支えられながら新たな生活を始めた矢先、不可解な殺人事件を捜査することになる、というストーリー。

登場人物の心を映すようなカメラワークと、美しいロケーションの相乗効果で、ダークな世界観に深みが増している。

自分のいる世界が全てだと思い込まされるのも、弱い人間だと思い込まされるのも、それをコントロールしている人間がいい人だと思い込まされるのも簡単で、自分の意思で考え行動することは、育った環境によってや偶然にその環境がピースのようにはまってしまった場合によっては、難しいことだと思い知らされる作品だった。

ただ、人にはたった1人でいいから、ありのままの自分を無条件に支え愛してくれる人がいるだけで、人生という世界は開けていくものなのかもしれない。
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