ミサホ

未成年裁判のミサホのレビュー・感想・評価

未成年裁判(2022年製作のドラマ)
4.2
以前から気になっていたドラマ。
法廷シーンが多くて良い。後半になるにつれて、ほろほろと涙流しながら観てしまったわい。

罪を犯した未成年を裁く判事たちの苦悩と成長を描き、法とは何かを問いかける。

少年部の判事は、罰せられた子たちの保護や更生なんかも担っているみたい。そんな判事のひとりを演じたキム ・ムヨル…『悪人伝』や『声 姿なき犯罪者』とはまるで別人だった。

判事は判事でも、キム ・ヘスは「突き放し型」の判事で、キム ・ムヨルは「寄り添い型」だ。彼らそれぞれの特徴が色濃く見られる前半から、お互いに自分が持ち合わせていないところを上手く吸収し、学んでいく後半へ。

ムヨルって地味な見た目だけど、アクの強い役ばかり見てきたから、今回の静かでソフトな役は新鮮だった。おぉ…これほんまにムヨルかよ〜という感じで、またしても彼の役者としての力量に感服したよね。

まぁ…10話があっという間だった。
いろいろと考え込んでしまうドラマだったなぁ。

印象的なエピソードは、イ・ソンミン演じるカン部長の息子が出てくる回。イ・ソンミンの葛藤といったら!苦しいよね。悔しいよね。それでも、正義まっしぐらのキム ・ヘスが部長に言った「聖書を読むために蝋燭を盗むな」という格言(なのだろうか)で目を覚ますイ・ソンミン…良かったよ。

後半登場のイ・ジョンヨンも流石の貫禄。めちゃくちゃ厳しいけれど、どこか温かさも感じられる上司。(いや…実際には下につきたくないで)

未成年ってまだまだ不安定で、流されやすくて、良くも悪くも影響を受けやすい。大人がしっかりと見ていてあげなければとも思うけれど、自分で考えさせたり、厳しさを教えるのもまた大事で、その辺りのバランスが難しい。

法は必ずしも被害者の味方にはならない…というが、実際の裁判官もそんなもどかしさややり切れなさを抱えながら法廷に立つことがあるのだろうか。
ミサホ

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