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ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪えのmofaのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます


【バランスがいい】
一つの関係に特化していないのが良かったかな~と思います。
長い尺ではない・・・むしろ一場面であっても、
その関係性を印象付ける事に成功しているんですよね。

・デンバーとモスクワ
 軽口をたたきながらも、互いの愛情が滲み出ていて、
最後のシーンは、涙なしで観れなかったですよ。
 自分と同じ間違いをさせたくないモスクワの気持ちは凄く分かるし、
それでも、若い2人の想いを最終的に認める所は、本当に、
良い父親なんだと思いました。
 ストックホルム病って名前がどうしてモスクワの口からすらっと出た??
という違和感は、最後で回収されましたね。
 モスクワに、トーキョーが妻として返答する所が、
ホロリと泣けました。デンバーの良さをきちんと分かっている所も、
リーダーらしかったですよね~。
 
・デンバーとミソン(ストックホルム)
もう素敵な2人。カップル賞をあげたいです。
デンバーの純粋さが炸裂するし、ミソンが彼に惹かれていく様が、
納得するしかなかったです。
 自分というものがなく、フラフラしていたミソンが、デンバーと出会った事で、
徐々に、自分というものを取り戻していく過程が圧巻でした。
 デンバーもまた、男っていうのは守る者が出来たら、
強くなるんだなぁ~と胸が熱くなりました。
 デンバーに避けられて、ミソンが彼の肩をちょんちょんってする所、
めっちゃ可愛いし、
デンバーがどんな時も、ミソンの手を握って守ろうとする所が
本当に素敵。

・ベルリンと教授
この2人の関係性が、凄く好きでした。
始めは、「ベルリンが兄貴じゃないの??」っていう雰囲気なんだけど、
徐々に、ベルリンが弟みたいな風情にちゃんとなっていくんだよね。
 最後、「ヒョン」って呼ぶトコ、マジで最高で、痺れました。
ベルリンと教授が兄弟って無理あるんじゃ?と思ったけど、
最後は、もう兄弟でしかないよね。兄貴の背中を追っていく感じが、
脱北時の2人と変わらなくて、何だか胸アツでした

・ベルリンとソウル
 ソウル最高!!イム・ジヨン様最高!!
女優さん凄いわ・・・と思いました。
グローリーの時とは全く別物でしたね。
また、ソウルって名前が、なんか分からんけどグッとくる(笑)

 もう、強いんだけどさ、しっかり純愛なのよ。こちらも。
ベルリンしか目に入らない感じが、胸キュンでした。
そして、しっかり結果出すのも素敵です。
ベルリンを救い出し、「私の許可なしに死ねると思わないで」
いや~素敵でした。男たちにまみれながらも、
存在感抜群でした!
 いや~一気に好きになりましたね。

・トーキョーと教授
 トーキョーは1番の教授信者だと思います。
すべてに絶望していた時に、人生に意味と目的を持たせてくれた教授に、
心酔していく様は、とても共感出来ました。
 特に、一度造幣局を出て、教授と再会する時に、
駆け寄って、ピョンって教授に飛び込むんですよね。
 まるで、妹が兄貴を慕うかのような感じで。
見逃してもおかしくない小さなシーンですが、この2人の関係性を表すには、
充分だったと思います。
 彼女の中では、完璧な計画を立てる教授も、
騙してるはずの女性に恋をしてしまうのも、
計画が頓挫しそうで泣き崩れる彼も、変わらず許容できる家族のような
存在なんじゃないのかな。

・トーキョーとリオ
リオはトーキョーに一途。
情けない役どころだけど、ゆっくりと逞しく成長していく所が良かったです。
トーキョーの自由さを許しながら、
これからもずっと一緒に過ごしていくんだろうなって。
そんな2人が、若々しくて、爽やかでいい。

・ナイロビとリ係長
この2人の、互いにリスペクトした関係性が、
もう、癒されましたね。
 ナイロビは、リ係長を尊敬し、
リ係長はナイロビを最高の上司だったと評します。
 一見、馴染まなそうな関係性も、
しっくりとくるのは、お二人の短い時間に表現出来た演技力の
賜物ではないでしょうか。

・ナイロビ オスロ ヘルシンキ
3人がお酒を飲むシーン素敵でしたね。
オスロは亡くなってしまったけど、ヘルシンキとの友情は、
ずっと続いていくんじゃないかなって思います。
ナイロビが、息子さんを守る為に、裏切ったと告白する所は、
泣けたし、ヘルシンキと抱き合うシーンは、
本当にホッとしたんだろうなって。

・教授とウジン
この2人がね・・・・私はポイントやったと思うんですよ。
なんか、ハマらない感じ。
この匙加減が絶秒だったと思うんですよ。
 教授はもちろん、彼女を騙しているから恋なんかしちゃいけない・・・
と思っているし、
 ウジンもまた大きな案件を抱えているワケで。
互いに一線を引いた関係性が、こう滲み出てて、
妙にはまらない感じが、逆に良かったと思います。
互いに早くから正体がバレて、その恋心をガツンと前面に出していたら、
強奪犯たちの関係性が、ここまで際立たなかったんじゃないかなと思う。
ウジンは正直好きなキャラじゃないけど、
自分を利用した男を逮捕したい・・という気持ちと、
愛しているという気持ちで揺れ動く感じが
とてもリアルだったと思うし、
更には、教授の言葉をどこまで信じるべきかという迷いも、
表現されていて、本当に難しい役どっころだったな・・・
お疲れ様って言いたいです。

 しかし、ウジンってば、チャさんが、
あなたの恋人が教授ですぜ~って言ってんのに、
聞く耳持たないのが、面白かった。
惚れた弱みってヤツよね。
そういう所が、
そりゃ、最後は撃てないよね・・・・
という納得材料の布石になってた(笑)

 
【私が続編を望まない理由】
 これほどの愛すべきキャラクターですから、
続編を期待したい所だけど、この作品に限っては、
このまま、みんな隠居して欲しいと願ってます。
 というのも、キャストにこれほど愛着を持てたのは、
彼らが、常に等身大であり、人間味に溢れていたからだと思うんですよね。

その最たる人が、教授であって、
彼はこの作戦にすべてを賭けていたワケだから、
同じような事を行うというのは、
ちょっと違うんじゃないかな?と思うんですよね。

なので、正直、最後のシーンの台詞は気に入らなかったんです。
勿論、冗談だとは思うけど、
面白い作戦がある・・・とか何とか言うのは、
ちょっと教授らしくないな・・と思う。

特に、ウジンを悩ませ苦しめ、追い詰めた事を、
あなた、すっかり忘れてるんですか???って言いたい。
 そんな冗談、教授は絶対言わないと思う。
そんな冗談を言うには、1年はまだまだ日が浅すぎます。

そして、何気に最後の教授、
恰好がダサすぎませんか??(笑)

という事で、最後は個人的に残念だったなって思う。
それならさ、教授とベルリン&ソウルの再会場面が良かったわ。
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