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ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女の821のレビュー・感想・評価

4.0
楽しみにしていたエリザベス・ホームズのTheranos をめぐる実話ベースのドラマ。元々ジェニファー・ローレンス主演、アダム・マッケイ監督で映画化という話を先に聞いていたのですが、そちらはあまり製作が進んでいないようで、先に公開されたドラマを満を辞して鑑賞。とても興味深いし、勉強になりました。

まずアマンダ・セイフライドの擬態?エリザベス・ホームズを徹底的に演じてる様が見応えあった。高校生の頃から、逮捕後までを演じているわけですが、夢に溢れた高校生から、野心を持って企業を立ち上げ、そしてシリコンバレーベンチャー企業の“若きCEO”としてアイコン化され、祭り上げられてゆく様子、そして“CEO”として己のイメージをブランディングしていく様がとても面白く、舌を巻きながら鑑賞していました。
真っ黒なタートルネックとスーツに身を包み、声を数トーン落とし、常に護衛の者に囲われている。その変貌ぶりが見ていておもしろかったです。

アメリカの過剰な投資家カルチャーも目の当たりにしたり、激化した競争の中競合に勝つために新しいテクノロジーに投資する大企業。ポテンシャルを信じすぎて、ある種「賭け」にまでなっているスピード感に驚きました。大物たちがあれよあれよと身を投じ。一種のフィーバーの中にいると、その目も曇るのかな、と思ったりしました。とにかく、アメリカのスタートアップ企業に対する大手大物の目の付け方がすごい。

あと、こんな弱肉強食の世界だと、本当に「正直者は馬鹿を見る」というか、善き人ほど食い物にされるというか…。見ていて辛いシーンもありました。

とにかく、実話ベースということで見応えがあった。鑑賞後エリザベス・ホームズのインタビュー動画を見てみましたが、上昇する最中は本当に飛ぶ鳥を落とす勢いだったんだなあ。このドラマ化を受けて、映画の方はどうまとめてくるのかが楽しみです。
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