デルタ

産婦人科医アダムの赤裸々日記のデルタのレビュー・感想・評価

4.0
作家で元NHS医師のアダム・ケイの同名のベストセラー小説を脚色したもので、ベン・ウィショーが若手産婦人科医アダムを演じています。
イギリスでは2022年2月に放送開始、昨年の第69回英国アカデミーテレビ賞(BAFTA)にて、ウィショーは主演男優賞を受賞。

英国の国営医療サービスNHSの産婦人科でレジストラー代理として働くアダムは、人手不足や過酷な労働時間、様々な患者の診断と対応に疲労困憊で、限界ギリギリの状態。
帰宅しようと乗り込んだ車で気を失うように眠ってしまい、気がつけばすでに勤務開始時刻。
ヨロヨロと病院に入ろうとすると、臍帯脱出の患者と遭遇し、私服のまま帝王切開。
1話目からリアルな医療シーンが映し出され、身も心も余裕がないアダムは、嫌味な言葉や態度で周りを不快にさせることもしばしば。
多忙のあまり診断を軽んじてしまった患者が早産になってしまい、生まれた赤ちゃんは超低出生体重児でインキュベーターへ。
落ち込む暇もなく業務は続き、トラウマのように超低出生体重児の赤ちゃんが見えてしまう。

私生活でも、同棲中の恋人ハリーとの関係を母親に打ち明けられず、ハリーとは心がすれ違っていく。

ガリガリで顔色も冴えない、今にも倒れそうなアダム。けれど、後輩の産婦人科研修には協力するし、低予算の中、モンスター患者の対応や、命の危険がある患者は救おうと奮闘します。

ドクターウィショーのVネックスクラブ姿がとても素敵✨疲れた顔だけどどこか可愛いさもあり、半笑いで飛ばすブラックジョークにウィショーの演技が効いてくる。BAFTA主演男優賞も納得の作品。
しかし、アダムの疲労と同時進行するかのように、観ている方も疲れます。
ご覧になるなら、元気な時に。
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