hikarouch

ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男のhikarouchのレビュー・感想・評価

4.4
ep1
おもれえ。1話は舌を巻くほどとんとん拍子で進んだけど、逆にここからどこを掘り下げていくんだろうという期待感が増す。都合の良い脚本も、こういう狙いのよく分かる使い方ならむしろ好印象ね。物語として大事じゃないところは適当につまんでサクサク行くぞってね。


ep2
絵の品格。作品作りに、作品作り以外にこんな大変なことがあったとは。困難にぶち当たりながらも、それを突破していく快感と、ハラハラドキドキのスリルがたまらんね。音楽も最高。

ep3,4
プロデューサーたるプロジェクトマネージャーとして、共感の嵐。次から次へと襲いかかってくる関門。そして孤独。何のためにこんな苦労をしているのかと土台が揺らぐ。めちゃくちゃ分かるぜ。自己主張の強く、それぞれが自分のポジションからものを言う奴らをどううまく巻き込んで、利用して、なだめて、手のひらで転がすか。それが腕の見せ所なのよね。結局こう言う立場では、人たらしが最強なのよね。

ep5
ヤクザにハメられたー。部下をスタッフとして潜り込ませて製作費からチョロまかしと見張り役をつけたり、呼び出されて会見に引っ張り上げられて、してもいない寄付の約束を発表される。見事だね。まだ経験の浅いプロデューサーがどんどん先手を打たれて防戦一方。昔を思い出すね。ここまで酷いのはなかったけど。

ep6
ヤクザにはめられてプロデューサークビになって、そのことを知ったヤクザが今度は現場を脅かしてプロデューサーに復帰って。結局ヤクザの暴力に踊らされてるだけなんだよな。

ep7
ずっと見てられるなこのドラマ。キャラクターがみんな魅力的だわ

ep8,9
エヴァンスの帰還。ヤクザが映画見るシーン良過ぎるだろ。スタオベは泣けるわ。

ep10
成功に満足したり、安住の地を得て気を抜いたりする人間が誰も居ない。こういうチームだからこそ大きな成功を勝ち取る。勝ち取り続ける。狂ったほどにハングリー。自分の欲求に自覚的だ。すごいね。この最後の決断ばかりは、おれとアル・ラディは全く違ったかな。
しかし、ラストの清々しい後味まで、本当に素晴らしドラマシリーズだった。こういうのもっと色々見ないと。


全話完走
アル・ラディが担うプロデューサーという立場に共感しまくった。職人肌の監督や俳優やスタッフは好きなことをいい、制作会社からは予算の制約とビジネスの成功を求められ、外部からはヤクザに脅される(ここはサスガにないけどw)
チームに気持ちよく仕事ができる環境を与えながら、外部から降り掛かってくる火の粉を振り払い続ける。そして、歴史に残る名作を世に送り出す。文字通り、プロデューサー、生み出す仕事だ。地味で損な役回りの仕事だけど、なんてカッコいいんだ。そうだ、おれのやってる仕事はこれなんだ、とすごく嬉しい気持ちになれたし、自分の価値の出し方をあらためて理解できた気がする。お仕事ドラマの金字塔だ。
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