このレビューはネタバレを含みます
名画『ヒート』からこっち、
ボーダーライン(2015)
ザ・コンサルタント(2016)
ザ・アウトロー(2018)
ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ(2018)
など銃器の取り扱いや銃撃シーンをリアルに描いた作品がたまに登場します。
本作も同様で、主人公や主要登場人物たちの銃撃アクションが素晴らしい。
主人公ジェームス・リース少佐を演じるクリス・プラットは、狩猟を趣味にしているものの従軍経験はないようです。
ですので、かなりいいアドバイザーを雇い、撮影前のトレーニングにも時間をかけたものと思われます。
サバイバルゲームが好きな人や、「おいおいそりゃあないだろう」という銃器の取り扱いや隊列の組み方を見ると鼻白んでしまう人には、たまらない作品といえましょう。
一方、主人公が途中で国内テロリストに指定されたのもむべなるかなという復讐劇は、賛否の否にあたります。
主人公はサンフランシスコ等にいても「ここは戦場だ」と言い張り、法律を完全に無視して家族の殺戮に関係した人間とその護衛たちを殺しまくります。
FBI特別捜査官や軍の捜索隊を撃たなければいいってものではありません。
(ああいうのにカタルシスを覚える人もいるかもしれませんが)
伏線となっている陰謀やそれに絡む謎も、主人公が復讐すべき相手を探る過程で明らかになっていくだけで、しかも取ってつけたよう。
折々に挟み込まれる主人公の妄想シーンなど、1~2話を観ていればほとんどその繰り返しなので飛ばしたほうがよろしいかと。
また、いくらネイビーシールズの元隊長だからといって、主人公が肉体的にタフ過ぎるところも興を削ぎます。
つまり、ストーリーに入り込みながら真剣に観るようなドラマではないということです。
銃撃シーンに限っていえば、二度見するような良さがあるんですけどね。