ワンコ

オールドルーキーのワンコのレビュー・感想・評価

オールドルーキー(2022年製作のドラマ)
4.5
【エゴイストを応援しよう!】

スポーツ有名選手なんて、ほとんどがエゴイストだと思う。

有名じゃなかったけど、自分も、そうだったように思うし、それは、何か、こんなことがしたいと強く思うビジネスの世界にも通じることだと思う。

じゃないと勝ち抜けないのだ。

ただ、単にエゴイストなだけじゃない人も沢山いる。

チームワークが必要な競技や、更に個人競技でも、支えてくれる人がいる場合は、頑張る理由が他にも出来たりするからだ。

スポーツマネジメントが、現在の日本でどんな状況なのかは理解していないけれども、この「オールド・ルーキー」は、スポーツマネジメントが潤滑油になって、選手が、所属チームやファン、スポンサーなどと効率的で且つ前向きに未来を見つめられたら良いなと思えるような作品だったと思う。

僕は、この「オールド・ルーキー」の出演者のひとりと同じパーソナルトレーニングジムに通っていたことが過去にある。
とてもプロフェッショナルな俳優として、ひたむきにストイックに身体管理をしているのだと感じた。僕は、この俳優さんのファンだ。

僕たちがよく名前を聞くスポーツ選手なんて、絶対にエゴイストだ(と思う)。
でも、だから高みを目指することが出来るのだ。
じゃないと、観てる僕たちは、勝手な話だが、そこから感動を得ることが出来ないのだ。

最後にひとつ。
河瀬直美さんが監督をした「東京オリンピック2020 Side B」はあまり評判は芳しくなかったように思うが、僕はとても感動した。
理由は、映画のレビューにも書いているけれども、その大きなものの一つが日本の400mリレーチームのバトンワークが失敗する場面についてだ。

メダルが期待された中での失敗。
負けたのではなくて、失敗したのだ。

バトンパスを失敗し失意の多田修平選手と山縣亮太選手に、いち早く駆け寄り、立ち上がるように促した、桐生祥秀選手がいた。

桐生祥秀選手は、日本チームには欠かせない3走選手で、この区間は無類の速さを誇るが、目指す100mには出場が叶わず、リレーも結局走るチャンスが無くなってしまった。

良い時も悪い時もある。
絶頂もあれば、失意のどん底もある。
それを知り尽くしているからこその、駆け寄り立ち上がるように促すという行動だったのではないかと思う。

スポーツ選手はエゴイストであって良いと思う。
負けて失意に沈むこともある。
いつか注目されなくこともある。
思い通りに行かなくなることだらけだ。

その中でもがき苦しんでいるのであれば、必ず人間としても成長できるはずだ。

だから、支える人たちは、間違った方向に行かないように見守って、事あるごとに助けてあげて欲しいし、観戦する人は、想像のつばさを広げて、活躍を応援してほしい。

休養中の桐生祥秀選手、怪我で調整中の山縣亮太選手、調子を落としている多田修平選手、それにリオのメダリストで同様に調子が出てないケンブリッジ飛鳥選手、同じくバックストレッチの速さは群を抜く飯塚翔太選手も、まだまだ老け込むのは早いんだから、競技シーンに帰ってくる、或いは、もっと活躍してほしいと強く願う。

そして、競えば競うほど、若手もきっと大きく伸び、スポーツシーンは更に面白くなるのだ。
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