湯っ子

クラーク・オロフソンの湯っ子のレビュー・感想・評価

クラーク・オロフソン(2022年製作のドラマ)
4.8
これは面白い!
スタイリッシュでテンポ良く刺激的な演出と、主人公クラーク・オロフソンのやりたい放題の悪の魅力に釘付け。人たらしの女たらしで、好みの女性にロックオンした時に「チーン!」って呼び鈴みたいな音がするのが面白い。その割にいざとなるとびっくりするくらいの早漏ってとこにも、妙な説得力があったりして。クラークを追い続ける刑事とのやりとりもルパンと銭形のとっつぁんみたいでイイ。
クラークを演じたビル・スカルガルドがめちゃイケメンでかわいげもあって憎めない…でも、それは周りの連中が「あのクラークだから」ってことや、目先のカッコ良さに目が眩んでるヤツらだからであって、物語後半でクラーク本人とガチンコで対峙する人物が登場すると、彼の魅力がとたんに色褪せ、自己中で衝動的で薄っぺらい素顔があらわになる(夏至祭で真っ向からクラークに注意したおじさん、伝記を書こうとして取材していた女性作家など)。
「真実と嘘に基づく」との注釈はあるが、本作で語られる彼の生い立ちが壮絶すぎる。わざわざこんな作り話はしないような気がするから、やっぱり相当過酷な環境にいたんだろう。もっと違う環境であれば、あれだけの才能と頭脳を善きことに使えたのではなんて、どうしても思ってしまう。

ビル・スカルガルドは“IT”のペニーワイズを演じた役者さんとのこと。そう言えば、って感じの目つき。本作の中でピエロの格好をするシーンがあったのにもニヤリとしてしまった。
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