実に面白いドラマだよ。
SFの要素はしっかりと含まれているし、そもそものテーマがSFをベースとしていて良かった。
まるでSFそのもの、という内容にはなっておらず、老夫婦のわずかな余生の生き方や、宇宙との関係に焦点を当てて物語が進んで行った点も、とても良かったように思う。
老いた妻が宇宙に心を奪われ続けて現在に至った理由(原因)が徐々に明かされてゆく。
夫(J・Kシモンズ)が妻のことを本当に大切にしており、妻が望むのであれば何でもしてやりたいと心底思っている。
家の庭の小屋と、場所も不明な宇宙船とが繋がっていることを、2人だけの秘密として長い年月を過ごしてきた。
だが、妻は宇宙へ行くことをあきらめられなかった。
そして、ついに……
シーズン1はそこで終わったよ。
派手な場面は一切なく、SFらしき場面も宇宙船からの景色やその周辺の赤茶けた世界のみだが、ストーリーや人間模様は実に面白く、興味深く、老夫婦の信頼感や、夫の寂寥感などがとても切なく、そして、夫の妻への自己犠牲をも厭わない深い愛情に、私は心を打たれたよ。
実に素敵で素晴らしいドラマだったので、来年あたりには観られるであろうシーズン2の予定を知りたくてググってみたところ、どうやら1シーズンで打ち切られてしまった模様だ。
打ち切られるほど視聴率が低かったのだろうか……
どうも最近、内容が薄く、ダラダラと続けているだけのドラマが10年以上も続く反面、このドラマのように、学びや気付きや癒しや感動を与えてくれるような深い思慮を配されたドラマが打ち切られてゆく現実を見るにつけ、2倍速再生で観る世代は2倍速でも読み取れる程度の薄い内容の作品を好むのかも知れないな、と邪推せずにはいられないよ。
いずれにしても、このような素晴らしいドラマが1シーズンのみで打ち切られるということは、実に悲しいよ。
以上。