このレビューはネタバレを含みます
初恋の悪魔は、人にどういうドラマか説明するのが、とても難しい。
自宅捜査会議を毎回する。1話完結風なドラマかと思ったら、違う方向にすすんでいく。かと思ったら、また自宅捜査会議が開かれたりする。意図した完全な転調ではなく、またちょっと戻ってきたりする。
これが、ある種リアルでもある。他人にエピソードを話すとき、私たちは出来事と出来事との間にある揺らぎのようなものは、端折って話す。端折らないと話が複雑になってしまうから。しかし、その揺らぎにこそ、人間の感情が詰まっている。そういった揺らぎがこのドラマからは感じられた。
恋愛とミステリー、どちらにも小鳥さんはあまり絡んでこなかった。彼の内心が抉られることはなかった。しかし、なぜか私は小鳥さんが1番好きな登場人物だ。シリアスさが増していく終盤においても、彼は相変わらず根暗っぽいけど、どこか軽やかで、救いになる。こんなやつと友達になりたい。幸せになれよ。