ぼっちザうぉっちゃー

ウェンズデー シーズン1のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

ウェンズデー シーズン1(2022年製作のドラマ)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

予習で既にアダムスの世界観の虜になっていたので当然だが、めちゃくちゃ好きだった。
現代風にブラッシュアップされた周辺設定に、最大の魅力であるゴシック感が映え輝いている。

とにかくタイトルロール飾る主人公ウェンズデーが好き過ぎる。
血色の悪い顔にお下げ髪、一切瞬くことをしない三白ぎみのジト目と常に不服そうに結ばれた口元、モノクロに統一された身なりまで、ビジュアルにおける全てがパーフェクト。(個人的にはボーダーシャツに黒パーカーの部屋着が最萌でした。もちろん黒猫コスも大好き。)
そして映画版から成長し思春期を迎えたこと、そして多くの人と「接触」することによって、「人」や「感情」に対する意識にも変化が訪れるその心の機微も、具に観察したい可愛げがある。
(何気に表情無いからこそ目つきとか特に口元の動きで感情の動きが分かりやすかったりする。)加えて、ちゃんとお姉ちゃん(姉御肌)してるとこなんかも好感が持てる。
あとチェロ奏者ってのが良いな。チェロのどしりとした異質な存在と低く深い音色が、我が道を行くキャラクター性にぴったりだ。(物語シリーズの貝木泥舟なんかも連想した。)
「Paint It Black」聴きながらレポート書いてると、とてつもなく独創的で芸術的な文章をしたためているような気分になる。

内容としては学園探偵ものと言え、不可解な事件を通して自らのルーツや両親の秘密、学園誕生の謎に迫っていくという流れ。そのファンタジーな大枠と言い、四つの寮制と言い、どこか現代版ハリポタっぽい趣もした。そんなストーリーを強引に押し進めるのがイカれたヒロイン、ウェンズデー。彼女の悪趣味と強情で執念深い生き様が、素人探偵ものお決まりの巻き込まれ展開を覆し、むしろ前のめりで事件に首を突っ込み口を挟み、手を出し両足までしっかり介入する。その型破りに厚顔無恥で傍若無人な掻き回し様が爽快で堪らない。
そしてファーストキスすら鉄の味滲ませるような謎解きや、新旧ウェンズデー対決などのシナリオ面でも十分盛り上がることができた。
原作準拠のものかもしれないが、モンスター系の造形とかCGの感じがマイルドでどこか可愛らしいのも推せる。

道場破りにライバル的存在、ミーツガールにミーツボーイと、イベント的にもキャラクター的にも学園ものとしてのバラエティに富んでいて楽しい。ルームメイトであるイーニッドのカラフルな小動物感はウェンズデーとの相性最悪で最高だった。そうした絡みが、ウェンズデーのキャラを大きくブラさない程度に抑えられていたのも良かった。
ハンドは意外とどんくさいけどずっと頑張っててえらい。
本筋の事件はもちろん学校行事絡みが面白くって、レースに地域交流に、そして特にダンス会は一つのクライマックスだった。やはり血は争えないようで、見事な踊りを見せてくれる。

あとどうでもいいけど、全8話なのでウェンズデーに観初めてウェンズデーに観終えられたのがちょっと気持ちいい。

シーズン2でもまたその、悲哀でいっぱいの最高にユニークな世界を観せてもらいたい。