Rocko

HOMELAND シーズン8のRockoのレビュー・感想・評価

HOMELAND シーズン8(2020年製作のドラマ)
5.0
2011年のシーズン1から2020年シーズン8ファイナルまで、シーズンが進むに連れて質が落ち打ち切りが多い海外ドラマが多い中、登場人物の入れ替わりがマイナスとならず、どのキャラクターも設定が魅力的で脚本が素晴らしい社会派ドラマでした!

このドラマが始まる時『24』の製作陣が手掛けたと知り、ハワード・ゴードンの名前を見ただけで面白いだろうと確信。
『X-ファイル』の脚本家・エグゼクティブプロデューサーでもあり、壮大な陰謀の世界観の描き方と視聴者を沼にハマらせるセンスは天才的です。10年弱どっぷりお世話になりました。

『HOMELAND』は「対テロ戦争」という題材を通して、現代のアメリカと国際社会にはびこる根深い問題を掘り下げる社会派スパイドラマですが、毎回簡単な話ではなく地味で暗くて絶望的。平和の希望がないことが最大の魅力です。
シーズン1ではクレア・デインズ演じるCIA諜報員キャリー・マティソンとダミアン・ルイス演じるスパイ疑惑のある帰還兵ニコラス・ブロディの話から始まり、モリーナ・バッカリンやティモシー・シャラメも出演していました。懐かしい。

シーズン通して双極性障害を抱えたCIA エージェントという強烈な役柄を演じたクレア・デインズは長いドラマの間にご懐妊、出産を経てファイナルシーズンでは実の夫ヒュー・ダンシーが数回ゲスト出演していました。結構イヤな奴の役でw

ファイナル・シーズンも絶望の連続でしたが、割とわかりやすいシーズンでした。作品の真髄はテロよりスパイ。
CIA職員のキャリーの上でもあり、父親のような存在でもあるソール・ベレンソンとの関係も毎シーズン複雑で敵対する割には信頼関係は崩れず、何だかんだで強い絆で結ばれていた2人。
そのモヤモヤを一気に爽快感に変貌させた美しい着地の最終話。
長年の緊張感がほぐれた瞬間であり、洒落た演出が憎いほど大満足のフィナーレでした!!
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