凄いな...燃え殻感が本当にない。原作のことを忘れて、大人の世界にどっぷり入り込んだ。
Charaの声で語られる燃え殻の文体だけがそれを感じさせるが、どうもストーリーテラーとしての声とはマッチしていない気がする。
原作未読の為、主人公が本当に阿部寛ほどの年齢層なのか分からない。もしそうなら燃え殻の人生経験から来る語りを素晴らしいと思うだけだが。名前が頑なに呼ばれなかったのは違和感。
何故だか不条理な世の中。束の間の妻の失踪を問いただされ、面倒に連れ込まれる。また逃げ出すのか。全て捨てた人生も良いけど、それすら繰り返せば刺激を失ってしまう。何があっても、風化のように全て忘れてしまうから。
回顧百合話の監督は岨手由貴子氏。はしゃぐ鳴海唯がすごくいい。
アーティストを使った締めは非常に贅沢。No Busesの演奏とか初めて観たし、paioniaみたいな見せ方も面白い。
