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雲霧仁左衛門1のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

雲霧仁左衛門1(2013年製作のドラマ)
4.7
享保年間(徳川吉宗の治世)。江戸一帯のみならず、東海道、中仙道から上方まで股にかけ、鮮やかな手口で大金を奪う盗賊の一味があった。大金持ちの金蔵しか狙わず、けして殺さず、傷つけず、雲が涌くように現れ出で、霧のように消える。すご腕の名立たる子分(七化けのお千代(内山理名)、木鼠の吉五郎(伊武雅刀)、州走りの熊五郎(手塚とおる)、因果小僧六之助(柄本祐)ら)を統率する一味の首領は雲霧仁左衛門(中井貴一)、希代の大盗賊である。
一方、雲霧一党の捕縛に執念を燃やす治安組織・火付盗賊改方の長官は安部式部(國村準)。雲霧との知恵比べで煮え湯を飲まされながらも、激しい攻防戦を繰り広げ、雲霧に脅威を与え続ける。
雲霧一党の次なる狙いは尾張名古屋の豪商。火付盗賊改方の追っ手が迫るなか、果たしてどんな手口で盗みを仕掛けるのか・・・
池波正太郎の時代小説をドラマ化。
常に冷静で掟に外れた者や敵には非情だが、「富める者からしか奪わず殺さず」を貫き手下から慕われている大親分雲霧仁左衛門の男気あふれる魅力。雲霧に幼い頃救われ慕い続けていて、変装と色仕掛けの名人七化けのお千代のクールな姉御と一途な女性の二面性の魅力。頭に血が上り易いけど、雲霧に忠実な因果小僧六之助の武骨な一途な若者の危ういナイーブな魅力。元金蔵仕掛け職人でクールな仕事師だが、雲霧や仲間には熱い仁義の洲走りの熊五郎のクールな魅力。雲霧一味の際立ったキャラクターの魅力。ターゲットにした店に七化けのお千代などの「引き込み(内部に入り情報収集する役目)」が入りこみ、ターゲットの情報を収集し綿密な計画を立てて見事に盗むまでのスパイ映画のような緻密なサスペンス。雲霧一味と安部式部の壮絶な知恵比べ。光と闇の緻密な映像美。豪快なアクション。雲霧一味と安部式部らのチームの擬似家族的な強い絆。非情になりきれない人間としての情。中井貴一ら演技派俳優の見事なアンサンブル。ハードボイルドタッチの傑作時代劇ドラマ。
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