mariA

インサイダーのmariAのレビュー・感想・評価

インサイダー(2022年製作のドラマ)
4.8
面白かったです。ですが悲しくてやるせなさもあるドラマ。

誰一人信用できないし、残酷なシーンもたくさんあるし、だまされないようにストーリーについて行かなくてはならず、そういう意味では目が離せなくて一気見。

刑務所に入ってからの展開は「インファナルアフェア」的な絶望があり、絶体絶命の状況からどうやって復讐をしていくのか、その組み立て方が頭のいい主人公なのでおもしろい。誰を支配し、誰に従うのか、それもどんどん乗り換えていくスリル。決して毎回うまくいくわけでなくそれがリアル。

途中何人も人が死ぬが、復讐において「死」は虚しいものだと感じる。生きて苦しみを長く味わわせることのほうがよほど納得する。しかしその方が殺すより何倍も手がかかる。

ラストまで気が抜けない。法にのっとって悪を裁いたとおもわせて、結局根絶やしにはできなかった現実。悔しさが残るが、「何かを始めなければ何も変わらない」。セリフの回収も鮮やか。ほんの少しでも風穴を開けたことを肯定しながらまだまだおわらない道を進むしかない。その覚悟のカン・ハヌルの演技に感嘆。
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