Yoshishun

仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎のYoshishunのレビュー・感想・評価

2.0
龍騎17年振りの完全新作だが、あくまでジオウスピンオフ。
更には井上単独脚本という不安要素だらけだったが、不安を払拭することはできず。
同窓会作品としても素直に楽しめず。

どの時間軸で、どういう世界なのかはこの際どうでもいい。
問題なのは龍騎で守るべき基本設定を完全無視している点だろう。
変身ベルトは本来デッキを鏡の前に差し出すことで出現するはずだ。しかし、本作では鏡なんてない場所でも、取り敢えず差し出せばベルトがほいほいと出てくる。
また、ミラーワールドで消滅する基準もあやふやにされ、取り敢えずやられた感じを出せばデッキを壊されなくても消滅するという感じだ。しかも、消滅するタイミングもまるで空気を読んでるかのようで、浅倉がゾルダとの一騎打ち後、変身が解けてからのかなりの時間が経ってるのに実際に消滅するのは秋山に止めを刺してから。あそこまで引っ張るのも無理くりTVシリーズと相反する悲劇を描きたかっただけに過ぎない。
そして極めつけは、リュウガとオーディン、城戸の最後の行動だろう。劇場版でもあったミラーワールドの城戸との同化によって生まれたリュウガは、ガイやライアを手中にかけた後、ナイトと対峙する。ところが、城戸が色々と過去を思い出したら気づけばリュウガが消滅しているのだ。こんなにご都合主義的にするなら最初から出すな。その後、13人目となるオーディンが登場するも、その最期の呆気なさ、後付のような「結衣‥」という台詞も虫酸が走る。
そしてオーディンを倒すに至った城戸の行動も許し難い。龍騎サバイブの力を授かったジオウのデザインのダサさもそうだが、城戸は誰かを守るためにライダーになった男。直前に秋山蓮の1件があったのにあれだと、生き残りたいので1人逃げたように見えて非常にカッコ悪い。

せっかくのオリキャス大集合やTVシリーズとは異なる陣営の変化も斬新なのに、ここまで酷いと逆に笑えてくる。神崎士郎、できればこの作品が作られる時間軸やり直してくれないか?
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