こじろう

アンナ ディレクターズカット版のこじろうのレビュー・感想・評価

4.0
めちゃくちゃよかった。
めちゃくちゃ面白かった!!

静かに、確実に、淡々と進む感じ。
最近じゃなかなか見てない。

全話通して流れる
「きらきら星」の音楽も印象的。
自分からは届かない上を見上げて
「届くといいな」と願い続け羨んだ
ユミの野望が、純粋で切なるものに
映ったり、儚く映ったりするんだから
この音楽はすごいチョイスだと思う。

やりたいこともできることも多くて
その自負もあったユミだから
最初の嘘をついたキッカケって
自分自身を諦めることが
できなかったことなんだろうなぁと、
思う。

二つ目の人生に関わる嘘を
つくキッカケは、この物語全体通して
漂流してた「バカにし合ってる」
空気なんだと思う。
表面上、優しくしてくれてても
それは実はバカにされてるだけだったり
誰もユミを尊重しなかった。

それは嘘の人生を手に
入れても同じなんだけど、
学歴、地位、名誉さえあれば
テーブルには乗せてもらえるわけで。

そういう【ガワ】でしか
人を見れない浅はかさ、理不尽さ、
人を値踏みする傲慢さを
身に染みて知ってるユミだからこそ
それらを嫌悪して軽蔑するような
目がすっごい好きだった。

「親に失望されても胸を張ること、
それが自立の一歩よ」
ってセリフがあって、
これまでユミって
誰かを利用して強かに
一人で生きてのし上がってきた
=自立しているように見えてたけど、
それは孤独になっただけだったんだ
って気づいたら、もう怒涛の哀愁だった。

最後は少し希望が感じられて
よかったな
こじろう

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