ねまる

ガリレオ 禁断の魔術のねまるのネタバレレビュー・内容・結末

ガリレオ 禁断の魔術(2022年製作のドラマ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

復讐すべき相手を仕留めるか、諦めるか、葛藤する時の村上虹郎の表情を見るための1時間30分。
『Seven』のブラッド・ピットを見てるみたいだった。
あの名シーンを見ているかのような素晴らしさがあった。

そこから推察するのは飛躍だけど、
『Seven』では結局ブラピは復讐を遂げることを選ぶわけだけど、本作ではしないことを選ぶ。
復讐をしない、を選ぶためには、サマセットとミルズと、湯川学と古芝伸吾はどう違う道を辿るのか。
観終わったあとでは、そこに向けてストーリーが集約していったようにも思える。

姉を失った悲しみとそれを葬り去られた憎しみを復讐という形で果たそうと古芝伸吾がしたことも、
古芝伸吾の葛藤を前に、湯川が何を語り、何を聞かせ、行動として指導者がどう表したかも、
覚悟を決めている湯川に対し、親友であり、警察官である草薙がどんな行動をとったかも、
どれも彼らの人間性を描き出している。

自らの手や周りの行動で法ではなく、自ら制裁を下すという正義も、そういうフィクションは多いけれど、
復讐をしないからこそ続く未来に希望が持てるところがこの作品が美しいなと思ったところ。

短編を2時間弱のSPドラマにしているし、ガリレオの中ではドラマテイストではあるけれど、ラスト30分ほどにかなりの満足。

映画版は村上父です。
村上親子のガリレオシリーズへの多大なる貢献。
映画版も早く観たいなぁ。
ねまる

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