ゼロ

ガリレオ 禁断の魔術のゼロのレビュー・感想・評価

ガリレオ 禁断の魔術(2022年製作のドラマ)
3.5
自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ。

人気テレビドラマ・ガリレオシリーズのスペシャルドラマ。劇場版第三作「沈黙のパレード」の公開を記念して作られたドラマ。原作ではシリーズ8作目の「禁断の魔術 ガリレオ8」より「猛射つ」を映像化したもの。

内容がとてもタイムリーな事柄を扱っていたので驚きました。ざっくりいえば、古芝伸吾という会社員が、姉の秋穂を政治家の大賀に見殺しにされた復讐として、大衆の目の前で殺人を企てる…というもの。家族もいなくなり、仕事もやめ、いわゆる「無敵の人」となった伸吾。某元総理の暗殺事件を想起するような部分もあり、よく2022年に映像化したな…と驚きです。

さて、ドラマとして十分に楽しめました。2007年に第1シーズンの歴史のある作品なので、福山雅治演じる湯川学のキャラクターは立っているし、音楽で地味なシーンも盛り上げ、東野圭吾先生の原作があるのでオチがあり、安心して見ることができます。

新しい風として新木優子さん演じる牧村朋佳が登場しましたが、特に必要のなかったキャラかと。やはり警視庁貝塚北警察署に所属する草薙俊平と湯川の相棒ものとして見た方が楽しめる。また事件の真相よりも湯川が教え子の贖罪として、犯行を見届けるという展開にはゾクゾクしました。

ドラマとしての質が高く、本作を劇場版として出しても良かったのでは?と思えるような上質な作品でした。
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