Yellowman

一流シェフのファミリーレストラン シーズン1のYellowmanのレビュー・感想・評価

5.0
このドラマが言いたいこと、伝えたいこと。というか、受け手の自分が勝手に解釈してるだけのこと。それは、誰もが孤独であり、誰かが誰かを愛していても、気がついた時は既に遅かったり、どのタイミングで受け止めれば良かったのかなーと頭抱えたりしながらも、日々生きて行かなくてはならないし、けれども、どん詰まりの時は誰かを頼ったっていいんじゃないかと語りかけてくれる。そんなエピソードが細かーく散りばめられたドラマというか、作品なんじゃないかなーと思ってる。

邦題タイトルから想像して、脳天気なグルメモノと思ったら、火傷する。それくらい、ヒリヒリするドラマだと云う事。原題は”THE BEAR”これは、シーズン1を最後まで観たら納得する。
シカゴの老舗サンドイッチ屋の厨房が舞台なのだが、ドラマとして、料理への情熱、ひたむきさも、勿論描いているのだが、今シーズンの主題は、そこじゃない。生々しいほどの痛みを抱えた主人公の店のオーナー、カーミーの奮闘劇と店の仲間がこれまでのやり方を捨て、チームワークで、店を再機能して行く所にある。
元々、カーミーは、ニューヨークの一流レストランでスーシェフまで登りつめたが、挫折し、そんな時に兄が他界して、その兄がオーナーを務めていたサンドイッチ屋のオーナーをやる事に。丁度店に志願して入って来た若い女性のシドニーがカーミーの店を一から立て直すプランに賛同し、初めのうちは空回りながらも徐々に店の仲間達の信頼を得ていく。だが、料理の腕は一流のカーミーも、人間的には、欠落だらけ。しまいには、シドニーにも見捨てられる事に。以下ネタバレ含むが、今シーズンのラストエピソードは、本当に秀悦。冒頭のアルコール依存者の会で、カーミーが語り出した自分にとっての兄への思い。実に自分とは、正反対の兄の喪失感と愛情が痛いほど伝わってくる。このラストエピソードで、兄の親友であり、マネージャーのリッチーとも、最初は、ウマが合わなかったが、グッと距離感が縮む出来事があり、序盤のエピソードで、リッチーだけが見つけていた、兄マイケルからカーミーへの手紙を受け取り、封を切った瞬間、カーミーは、勿論、
観てるこちら側も、涙腺が緩む。そして、手紙の裏側に書かれていた事が今後の店の将来を左右する大事な事が書かれていた。

私は、思わず二周したぐらいに、抜群に面白い。30分×8話で、観やすいし、今年観たドラマの中でも上位に入るだろう。
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