木野エルゴ

一流シェフのファミリーレストラン シーズン1の木野エルゴのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

賞を授与される程の腕前を持つ一流シェフのカーミーは、自殺した兄マイケルが遺したNYのサンドイッチレストラン「the beef」を引き継ぐことにした。
それまで疎遠だった姉や叔父との確執、赤字経営、自身のメンタル面での不調などを抱えながら、無秩序な「the beef」のキッチンに一流レストラン仕込みのシステムを導入しようとする。しかし、従兄弟のリッチーや、従来の従業員たちはそれに反対。さらに、飛び込みで入ってきたシェフのシドニーと従業員たちのいざこざも勃発して…

かなりストレスフルな状況の連続に面食らうが、これはあくまでもコメディ。最悪な状況過ぎて笑えてくる。

「人に食事を提供する」

そんなシンプルなことなのに、なぜか状況は悪化の一途を辿る。特に第7話「レビュー」の描写は秀逸で、息つく暇も無く全てが崩壊していく。そこから続く8話目冒頭の演出がとても良い。カーミーの混乱が非常にわかりやすく可視化されている。

またカーミーを演じるジェレミー・アレン・ホワイトの何を考えてるか分かりづらい顔が良い。表情筋がほとんど動いてないにも関わらず、表情が豊かだと思える瞬間がある。不思議。

それからシドニー役のアイオウ・エディバリーも凄くいい。異常に度胸が据わっていて芯の強さが半端ない。7話でブチ切れた表情も最高だった。

正直見たことある役者が1人もいなかったけど、全員役にハマっていて安心して見ていられる。

ストーリーも緩急がしっかりつけられていて、中弛みすることなく最後まで完走できた。


ここからネタバレ。


ただ、マイケルがカーミーを遠ざけたことと自殺した理由が最後までよく分からなかった。経営が上手くいかなかったから遠ざけたのか、薬物依存がどうしようもなくなったから何も言わずに自殺したのか。それに最後の「金」は弟に残すために叔父から借りた金なんだろうが、返さなくて良いのか…??っていうか、手紙に残さずちゃんと自分の口からカーミーに言えば良かったのに。最後のシーンが良かっただけに、そこまでのロジックがイマイチ納得できなかった。
木野エルゴ

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