やみいしゃ

PICU 小児集中治療室のやみいしゃのネタバレレビュー・内容・結末

PICU 小児集中治療室(2022年製作のドラマ)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

子供、医療モノ、北海道、中島みゆきの主題歌…
うがった見方をするとちょっとあざとい要素てんこ盛り過ぎない?コトーの映画もやるしちょっと時期ずらしたほうが良かったのでは…というのが最初の印象でした。

良い意味で昔から変わらない、真面目モードでフジテレビが作ったときのドラマです。しっかり安心感のあるクオリティでした。
子供を使って同情や悲劇を煽るというようなあざとさはなく、まじめに小児医療の問題やこれからの発展をテーマにしていて、そこに嫌な感じはありませんでした。

さらに若者たちの葛藤、親子愛などが加わります。
ただ、個人的にはその辺は少し中途半端だった印象。
幼馴染の仲良し男女4人を描きたいのならば、互いの関係性などがもうちょっと掘り下げられていても良かったかな、とくに女性二人はお互いの関係性、主人公との関係性などがいまいちピンとこないままだった。
北海道の同郷の幼馴染の4人中3人が医師になってるだけでも普通のことじゃないのに、最終的に同じ職場にまでなったのにあまりそこに感慨もないから、なんだかご都合主義な空気が漂っていました。

お母さん亡くすのも、主人公を一旦どん底に落ち込ませるために唐突にねじ込まれたエピソードな感じに見えてしまって、それいるかなぁ…って。
母親の死は本人や主人公に取り返しのつかない後悔が残ったりする最後でもなかったはずだし、心臓移植の男の子がもうダメかもしれないことは女の子に責められる前から覚悟はしていたはずのことだし…
親友を自殺未遂から立ち直らせて一緒に働くまでの流れがあったうえで、そんなときに今度は主人公がすべてを投げ出して辞表を出して引きこもる行動には感情移入ができませんでした。
母親の死から病院を辞めるあたりのエピソードは丸ごと不要な気がしてならなかった。

植野先生演じる安田顕の演技が終始良かったです。理想の上司的で。
全く笑わない中尾明慶もなんだか良かった。