ちょっと魔法でばんそうこ

エルピス—希望、あるいは災い—のちょっと魔法でばんそうこのレビュー・感想・評価

3.5
 (2022) 関西テレビ(カンテレ)
Hope / Disaster
———
∥ エルピス(Elpis)
古代ギリシャ語で
様々な災厄が飛び出したと伝えられる
【パンドラの箱】に
残されたものとされ
【希望】とも【災厄】とも訳される

このドラマは実在の複数の事件から
着想を得たフィクションです
———
今クール作品のCMを見て、唯一面白そうだと思ったドラマ。
天野はな、可愛いね。
そういえば、「ごうどん」と読むんだね。オープニングクレジットでGORDONと出てたのでえっっと思った。なんとかっこいい響きの名前。
それにしても長澤まさみさんのこういうの見たかった。もう少しお若い頃はそこまで好きじゃなかったが、経験を経た落ち着きというか。そんなものを感じる。魅力的なんだよねえ。爽やかな明るさを持ちながらも大人になった落ち着きを兼ね備えている。彼女が主要人物で出ている作品に嫌悪感を覚えることはあまりない。家での眼鏡もとても似合っている。
要所要所の揺れのあるカメラワーク。一話ごとに浅川恵那と岸本拓郎の語りで進む。
料理番組を模した変わったエンディング映像🍰
幾度か泣いた。悔しくて悲しくて嬉しくて。
音楽:大友良英
☆岡部たかし
参考文献:
菅家利和「冤罪 ある日、私は犯人にされた」(朝日新聞出版)
菅家利和 佐藤博史「訊問の罠 足利事件の真実」(角川oncテーマ21)
清水潔「殺人犯はそこにいるー隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件ー」(新潮文庫)
小林篤「足利事件 冤罪を証明した一冊のこの本」()
佐藤博史「刑事弁護の技術と倫理ー刑事弁護の心・技・体」(有斐閣(?))
下野新聞社編集局(編)「冤罪足利事件 「らせんの真実」を追った400日」
佐野眞一「東電OL殺人事件」(新潮文庫)
高野隆、松山馨(?)、山本宜成、鍛治伸明「偽りの記憶 「本庄保険金殺人事件」の真相」(現代人分社)
日本弁護士連合会人権擁護委員会編「21世紀の再審 えん罪被害者の速やかな救済のために」(日本評論社)

📰Episode. 1 冤罪とバラエティ(15分拡大)
2018年 凡人 エリート 25歳 睡眠と食事 心と体がいつの間にか自分から遠く離れてしまいどこかへ深く迷い込んでいることだけは分かる 2006年12月 誰も自分たちが報道したことの責任なんて振り返りたくない 「全然覚えてない」 たとえどんな小さな判決でも、日本の警察と検察と裁判所の威信がかかっている 再審請求 蒸し返されるとマズい人がいっぱいいる 受け止める覚悟 「分かりたくない」 おかしいと思うものを飲み込んじゃダメ 過去に見た、もう一つの手のひら 善人
📰Episode. 2 女子アナと死刑囚
2018年7月 後に引く気はない 2006年11月 一切れのショートケーキ🍰 あっちでプチプチ、こっちでプチプチ  朝は恐怖の時間 “認めればラクになる” 「許してください」 口先だけでしか声出してない 普通に正しく生きる こいつと一緒だと食べられるらしい 嫌になったのは私自身 2008年 一生叶えられない 2010年 福島第一原発 TOKYO2020
📰Episode. 3 披露宴と墓参り
「カーナビかなんかと喋ってるみたい」 「空気読めない人って強いよね、ああいう時」 「空気ってどうやったら読まないでいられるんだろう」 こういうときは楽しそうにするもの、こういうときは祝福をするもの、本当は彼らのことをそんなに好きじゃなくても 華麗なるメインストリート 一日も早く忘れたもん勝ち 考えず悩まずただ鼻をきかせ長いものに巻かれる 言語は目の粗い道具 口と眉毛 頭から尻尾まで予定調和と空騒ぎ 素人のくせにジャーナリストの真似事なんかしていいのか スピリチュアルめいた威厳 リスク、バランス 正しいことが、したいなぁ… 正しいことがしたいんだ 「その時も変だった」 「5、4、3、 、 」 2002年〜2006年 僕らみんなを置き去りに、たった一人で正しさに突っ走っていってしまった
 ✏︎ オープニングクレジットで名前を見た瞬間、心の中で「木竜麻生!!!!!!」。本編で声を聴いてすぐに判る。
永山瑛太。
鈴木亮平演じる斎藤、怖いんだよなぁ……応援してるようで実は、みたいな。と、思ってたら予感的中か…?
📰Episode. 4 視聴率と再審請求
2018年9月 おじさん達の面子とプライド 舐めきっている あらゆるものを私利私欲で分解しすべて惰性へと溶かし込むコーンポストみたいな 日本の裁判所で再審請求(:開かずの扉)が認められるケースは年2、3件ほど DNA再鑑定(検察の同意 必要) 「棄却」の返事までに10年 「敵はどこにいるか分からない」 「おもちゃみたいな正義感」 何に勝っているのか より負けてきたんじゃないか 自分たちは勝ち組なんだって思い込むために、必要以上に負けてきただけなんじゃないか 2007年 どのポジション 鉛筆の芯 ママ 勝ち組でいさせてもらうために 岸本拓郎に訪れていた変化 どんまぁい。
📰Episode. 5 流星群とダイアモンド
2018年11月 あの夜から 食べ物と彼女 どこなんだよここはぁ おじさんの人生 10年前 一番ラクだったから 僕は生まれて初めて、真実を自分の力で手に入れるかもしれなかった 再び闇に還された 闇にあるものは理由があってそこにある 知られたくない奴、教えたくなかった人、知らなくていい人、知りたくない人に真実は嫌われて、叩かれ押し付け合われた挙句、また闇に押し込められたまま 平和なフリして世界はまわる ようやく空腹だったことに気がついた ひどく睡眠不足だったことも
 ✏︎ 同期・滝川雄大(報道部)役の三浦貴大 ナイス…
📰Episode. 6 退職届と異動辞令
2018年12月 別人みたいに喋らなくなった サインは呪い いかに甘かったか 妥協 権力の犬 昔いちばん軽蔑していたこと あっち側の 溢れる才能は同時に厄災でもある 押し流されるもの 相剋 組織における筋 贈る言葉 余計なことと必要だと思うこと ただの嘘つき人形
📰Episode. 7 さびしい男と忙しい女
2019年5月 日本は検察のほうが圧倒的に強い 99.9% 思ってるよりもずっと恐ろしいもの 26歳の反抗期 焼き回し “ただの”吉田さん 組織は必ずしも一枚岩ではない 絶対信じられないとも言えない 昔はこんぐらい馬鹿だったなあ 抜けない毒針のようなもの さらにずっと上の人間 聞かない・考えない・話さない 余計な悩みが増えるだけ やってるフリしてるだけ 「なんか、マジ、クソっすね」 スッカスカのテッカテカ
 ✏︎ ED映像に『エルピス』追加。
📰Episode. 8 少女の秘密と刑事の工作
2019年6月 2009〜2017年 黒いストール “クソみたいな報道” 信じていたからこそ 心底信じていられたから
📰Episode. 9 善玉と悪玉
2019年8月 別に世界はマシにならない 芽を摘んでおく あるべきもの 一生それを、捨てることもできない バカじゃないと。 大事なのは菌の種類がたくさんあってバランスが取れていること。種類が少なかったり、どっちかだけが多くなるとそれが悪玉になってしまう 権力は瞬殺しかない ネタと事実 8月29日 9月3日 引き返すなら 「カラダがまた壊れつつある。でもそのことを私はどこかで喜んでいる気がする。善玉も悪玉も本当は無いように、私の病気は私の希望なのかもしれない。いっそ木っ端微塵に壊れてしまえばいいと、本当は私自身が願っているのかもしれない。」 彼岸花 球根の毒 本当はわたしも
 ✏︎ カメってあんなに可愛いんだな。
ナイス村井。(ボイスレコーダー)
📰Episode. 10 希望あるいは災い
2019年9月 信じられるという喜び 「簡単だよ、案外」 明らかに病気であるにも関わらず “知らせる”というカード 2020年10月 「正しいことがしたいです」
◼︎2022年11月5日〜2023年1月4日 鑑賞