作品集

エルピス—希望、あるいは災い—の作品集のレビュー・感想・評価

5.0
自分だったら…と常に問われるドラマ

こんなに面白いとは思わなかった。
一つの事件をただひたすらに追い、
中弛みせず、
最終回までマジなんも終わらん展開に
【あぁ、これは拍子抜けするやつか】と
思って最終回観たらど傑作やん!
これは観て損ないです!

まず、長澤まさみと鈴木亮平と眞栄田郷敦と岡部たかしが良すぎる。
こんなに演技力があるとは…って感じで
一気にファンになりました。
岡部さんって最初相当嫌なやつだったんですよ。
それがね…あ、あんま言っちゃダメか。

カメラワークも素敵なんです。
特に覚えてるのが
長澤まさみが泣き崩れるとこのカメラワーク。
あれ必見です。

イントロの入るタイミングが完璧でね。
反撃の狼煙のようなイントロが最高です。


【殺されたあの子と遺族】
この話の中で、
共感はできないけど、理解はできる人たち
それがご遺族。
日本の大御所とのパイプがあるってだけで、泣き寝入りさせられるケースがある。
自分のしたいことだけして、
守りたい人だけ守る。それをすることで
どこかで悔しい思いをした人がいるかもしれないってことをよくわかっとかないといけないなと思いました。

【溢れる才能は時に厄災に】
仕事のために、
権力のために、
好きな人を切る。
そうしなければいけない。
そんなことがあるのか?と思うかもしれないが、

溢れる才能は時に厄災になる。

自分ではどうにもならない怪物なんだ。


【権力は瞬殺が大事】
権力はこの世界では膨大で
ラスボスのようなもの。
ボロい剣で立ち向かったって
勝ち目はない。
レベルを上げて、
それなりの装備を整えて、
一閃突きして、なおかつ急所に当たって
初めて捉えることができる。

1発で仕留めなければ、
1発で仕留められる世界。

世の中は恐ろしい。


【権力に立ち向かうと言うこと】
それは時に国を敵にすると言うこと。
時に大量の敵を作ると言うこと。
時に切り捨てなければならないものがあると言うこと。
一度立ち向かえばもう戻ることはできないと言うこと。

国のトップの悪事を暴くと言うことは、
国の信頼を失墜させると言うこと。

国を守る?被害者を守る?

どちらも守らなければならない。

この2択は選べない。

だが、選択肢にしてしまった
トップが悪い。

悪事は行わなければいい。

正しいことをして何が悪い。
まともな人間として主張して何が悪い。
なぜその主張する権利を奪われなければいけない。

そんな社会はおかしい。


熱い演技で心が動いた。

このドラマもまた、
八頭尾山の殺害事件のようにたらい回しにされたのだろう。
このドラマができて本当に良かった。
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