シガーandシュガー

エルピス—希望、あるいは災い—のシガーandシュガーのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

女子学生連続殺害事件の犯人とされる死刑囚が、実は冤罪に問われた被害者なのではないか。
長寿だけが取り柄の低視聴率深夜番組を作るプロデューサーとアナウンサーが真相を探ろうとするが、真実を探るほどに深みにハマっていく二人。

情けないプロデューサー(前田郷敦)と落ちぶれたアナウンサー(長澤まさみ)が抱いている葛藤と、生きていこうともがく姿勢がそれぞれに人間臭い。冤罪を暴くスリリングさだけに焦点を当てず、同等かそれ以上にキャラクターを描こうとしていて、だんだん彼らに気持ちが沿っていくようになるところが上手く出来ていると思った。

真犯人に行き着くまでと、その真実をどう世間に知らしめるかの2つの山があり、いくつもの壁にいきあたる。さらに、政治家、警察官、局内のパワーバランスなど幾重にも人間の思惑がからむ。主人公二人も挫折と復活を繰り返し、見ている側としては、実際の放映時間以上に長い物語に感じる。
二人が解明したかった当初の目的・冤罪事件は解決されるが、大きな闇はまだくすぶっている。。。という着地もこれしかなかっただろうと思う。

ドラマとしては面白いけれど、実際の新聞やテレビに携わる人たちのクオリティはどうなんだろうねと思ったりする。
近年、SNSでの発信や記者会見場での低レベルな質問が国民に失笑されている関係者が多いように思うけれど、あんな人達ばかりだとは思いたくないもの。