メタ壱

無言館のメタ壱のレビュー・感想・評価

無言館(2022年製作のドラマ)
4.0
画商の窪島が知り合いの画家・野見山の誘いで出会ったとある絵画。
それは戦争で亡くなった画学生の描いた作品だった。
それをきっかけに戦没画学生の作品を集めた美術館“無言館”の建設を決意した窪島と野見山は作品集めの為に全国を奔走する事になる…という事実を基にしたお話し。

『絵は言葉じゃない言語』と言います。

五感で感じたものを自分の中に取り込み、自らの感性と咀嚼し混ぜ合わせ、色として描き出しす絵は時に言葉よりも雄弁に語り、言葉では伝えきれないものを伝えます。

そして声の様に音ではないそれは、長い間残り続けます。

二度と戻れないかもしれない戦争に行く事を覚悟した画学生たちの遺した絵たちには、その人の人生そのものが塗り込められているんじゃないかという気がします。

その人にとって大切だったもの。
その人にとって見えていた世界。
その人が遺したかった心。

無言館では今も彼らの声なき声が褪せる事なく残り続けているのだと思います。
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