ねまる

GCHQ:英国サイバー諜報局のねまるのレビュー・感想・評価

3.7
ハッキングシーンを、『ブラッディマンデー』でタカで描いたシーンが好きだったように、
ハンマーなどの道具を使って実際に主人公が潜入する映像で描いているのが面白い。
PCでコードを入力し続ける高難度な技術が、知らない人でも視覚的にハラハラと楽しめる。

現代の戦争はPCの上で起こる
その中で私たちのような一般庶民は最も簡単に操られてしまうんだろう。
システムには簡単に侵入され、SNSも嘘だらけ、メディアも都合よく報じる。

知らぬ間に入り込んで、国民感情を操作して、戦争に持ち込む。本当にそんなことが起こり得るんじゃないか。すぐにでも。そんな時一般国民は、何を信じればいいのか。
恐怖は描くが、明確な解はない。
ただ主人公たちが、失敗しながらも一生懸命努力してるのを応援するだけ。

こんなに大事件なのに、なぜかいつも謎を解くのは主人公ばかりで、流石に英国人はGCHQに不安にならないのかしら。
その観てる側の置いてけぼり感と、自分とは関係ないと思っちゃう感じはむしろ自分が怖い。

マーク・ライランスとサイモン・ペッグに釣られて観た割に2人の出番は多く無かったけど、
釣ってくれた2人には感謝すべきなんだろう。

原題は"The Undeclared War"
宣戦布告されていない戦争。
実際に戦争が起こらないこと、起こっていないことを切に願う。
ねまる

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