父親に認められなかったゲイカップルが、子どもを持つことで父親に自分たちの関係を認めさせようというあまりにもグロテスクな決断、その実行の過程のなかで、家族が再生産されつつ同性愛は解体されてしまう。美枝子も父親の承認を得られなかった少女なので、彼女がエイジの父親の承認にこだわるところもつらいところだが、それゆえに根本的に承認というものを必要としていないらしいマッキーが浮いてしまう。彼が唯一自分で自分を承認しようとしているが、外部の承認なしで生きることの厳しさを一人で背負っている。
ともさかりえがすごかった。