最近は予告編がピークでそれを超えない作品が多いと感じる。
そんな穿った予感を完全に裏切るストーリーの面白さと絶妙なテンポ感。
簡潔に進行していくシーンと、丁寧なシーンのバランスが凄まじい。
毎回のラストの定点長回し。
作品世界が主題歌によって一気に引き上げられる、そしてその間の内容は注視していなくても問題がない。伏線を張らない、情報を詰め込まない余白の美しさ。
この演出が6話のラストでも効いている。
サブカル受けが良さそうな作品に辟易としていたが、内容や色味だけではなく構成がキチンと計算されて洒落ている映像の満足度たるや。
キャストもリアルで素晴らしかった。
特にえいちゃん。
予告チラ見時点では金髪のなんかチャラい奴がおるんやなと思っていたのが、全く違って引き込まれたのも大きい。
涙脆い感じも良かったなあ。
個人的には見上愛が良い役回り。
美枝子と対比するようにキュートな立体感のある顔立ちが役にぴたりと合っていた。
みんなの気持ちがわかって嬉しくなったり苦しくなったりした。起きたこと、起こしたことは戻らないし、「区切り」なんてつけられない。
そもそも人間関係で一方的に区切るなんて不可能なのだから、立ち止まったり少し戻ったり、なんとか前を向いてみたり。
終盤は特に重くなりがちなストーリーながらも、朝人の登場で柔らかな余韻をもたらす。マッキーが「本当は3人で…」と漏らすシーンで少し救われた。
