meguros

モダンラブ・東京のmegurosのレビュー・感想・評価

モダンラブ・東京(2022年製作のドラマ)
3.6
そもそもジョン・カーニーが監督しないモダンラブなんて...と思っていたが黒沢清監督回があると知り、数話だけつまみ食い的に鑑賞。

#1は母乳神話にまつわる話だったが、パートナーである前田敦子との関係を描くというより、女性と女性を取り巻く社会とが中心的に描かれている。だから(次の#2も含めて)あまりモダンラブという感じはしなかったのだが、むしろこの東京版で描こうとしているのは欧米諸国と比べて性別による役割意識や古い性意識が依然強く残る日本社会に生きる女性たちに向けられたエールのようなものだったのではないかと感じた。

黒沢清回はとても黒沢清で、お見合いサービスで出会った人が見ていたプロフィールとは全然違う他人、つまりはクリーピー的な「あの人、お父さんじゃありません」な内容。これもモダンラブなのか?はよく分からないのだけど、総じて言えるのは本家と比べて断然にトーンが重く、出てくる女性も暗い人ばかり。現代日本における恋愛ってこういうムードなのだろうか。

その点、ナオミ・スコットの回は遠隔の英会話教室を通じた言葉で愛を育む遠距離恋愛もので、モダンラブっぽさあり。ただ、ナオミ・スコットがなぜ(コーンの話は面白い🌽とはいえ)池松壮亮に恋するに至るのかがあまりよく分からず(そのあたりの会話の積み重ねは省略されていたし、彼女の周りだったらそんなにクソ男なばかりではないだろうとも思う)、やや消化不良。熱烈な愛を届ける韓国系の男性の描写も表現としてもっと適切な方法があったのではとやや気になるところだった。
meguros

meguros